熊は木の実を食べて暮らす生き物なのにどうして人を襲って食べる個体が出てくるのだろう

どうした霊夢。
何か疑問でもあるのか？

そりゃ、お前みたいな生き物が居たら食べるしかないだろ

仕方ない。
なら今回は、クマは木の実を食べて暮らす生き物なのにどうして人を襲って食べる個体が出てくるのか、について紹介するぜ！

てか霊夢。
クマの食べ物を木の実と言うけど、区分としては雑食性になるんだぜ？

割と本気でいろいろある。
ドングリ、クルミ、ヤマブドウ、柔らかい草の葉や根、タケノコ、アリ、ハチなどなど…。

なお、頻度としては少なめだが肉食もするんだよ。
でもここまでのとおり、植物質に偏っているからよほど食べ物がない場合に限ると言っていいだろうな。
実際、クマの臼歯って植物をすりつぶすのに適した形状なんだぞ？

何言ってんだ。
ヒグマは有名だけど、ツキノワグマだって人間を襲って食べることがあるんだぜ？

マジ。
いくつかの被害があるけど、ツキノワグマによる最大の被害と言っていいのは、秋田県の鹿角市のものだろうな。

被害だけを言うなら、四人が〇亡。
駆除されたクマの胃袋からは人の体の一部が見つかったそうだ。

なおヒグマによる被害だと、最大と言えるのは三毛別羆事件になるだろうな。
これはめちゃくちゃ有名な話で、九人を襲い七名の〇者を出した日本史上最悪のクマによる事件だ。
なお五人を食い〇しているぞ。

もっと他にソースは無かったのか…。
じゃあどうして、普段木の実とかばっかり食べてるクマが、こんな凄惨な事件となるような行動を起こした…つまり人間を食べてしまうのかが気になるよな？

違うんだ。
それにはれっきとした6つの理由があるからなんだよ。
今からひとつずつ解説していくから、霊夢が今後食べられたときの参考にしてくれ。

それもそうだな。
ということで、まずひとつ目に紹介したいのは「不意の遭遇」だ。

違う違う。
一言でいうなら「ばったり」ってヤツ。

そこで質問だけど、山の中でクマに遭ったらびっくりしないか？

だろ？
それはクマも同じなんだ。
不意に人間と遭遇してしまったことで、びっくりして攻撃を仕掛けてくるのさ。

それを知らないんだよ。
自分が本気を出せば、人間なんて一撃で始末出来ることとか知らないから、ツキノワグマ辺りで言うなら人間って「自分と同サイズの得体の知れない何か」になるんだ。

それそれ。
クマも怖いんだよ。
だから基本的には人間を避けて行動しているんだぜ？

そういうことだな。
登山とか、山に赴くときは是非携帯しておきたいってことで次、ふたつ目は「子グマを守るため」だ。

だな。
ありがちなのが、子グマが現れて「かわいい」とか言って近付いたり、触ったりするヤツだな。

終わり。

しかもこれの怖いところは、子グマ自身が生まれたてで好奇心が強く、自ら人間に近寄ってくることがあるってことだ。

そんなこと私に言われてもな…。
ま、どういう経緯であれ「子に近付く者」は排除されるからな？
その結果で、エサとして扱われることもあるから注意だ。

ということで次、みっつ目は「気が立っている」だな。

基本的に若いクマにこの傾向があるんだよ。
まだ縄張りを持っていないために、食べ物にありつけず空腹でイライラしている。
また、ケガをしているとかもあるだろう。

ああ。
人間の手によって負傷したり、子グマを〇されたりしたりした過去があると、キレ散らかしている上に人間を狙ってくるみたいだぜ？

何せ手を出して来たのが人間だしな。
なお三毛別事件でとんでもない被害を出したクマも、手負いだったそうだ。
経緯は不明だけど。

つーわけで次、よっつ目は「排除するため」だ。

正解。
パターンはいろいろあるけどな。
人間が持つエサを食べたいがために人間を排除する、また縄張りに人間が入って来たことで排除するなどなど…。

だと思う。
何せ、クマに襲われる事件のパターンとしてかなり多いものだからな。
春の山菜取りで老夫婦が襲われたなんて、毎年聞くんじゃないか？

恐ろしい話だよほんと。
ちなみに、キャンプ中にも襲われるなんて話もあるぞ？

そうそう。
肉やら野菜やら、お菓子やら美味しそうなものがそこにたくさんある。
でも人間が近くでうろうろしているから、そいつらを排除しないと食べられない。

クマの心理を考えると、襲われる理屈がよく分かるぜ。
ということで次、いつつ目は「じゃれようとした」だ。

とどのつまりはそういうことだな。
さっき、子グマは好奇心旺盛だって言っただろ？
それは大きくなった若いクマにも見られる傾向で、時に興味本位で人間に近付いてくることがあるんだよ。

実のところ、クマはこの時点で人間をどーこーしようとする気はない。
興味本位で近付いただけだからな。
だが、じゃれている内に人間って生き物が弱いことに気付くこともあるのさ。

そう。
そうやって、じゃれている内に人間を食べ物と見なすケースもあるみたいなんだ。

それも、人間を弱いと判断する要素だろうな。
ということでむっつ目、最後に紹介するのは純粋に「人間を食べるため」だ。

そう。
だから、クマ自身が「人間を食べるために人間を襲う」んだよ。

そのとおり。
つまりこの場合のクマってのは、はなから人間を食料と見なしているんだよ。

偏ってるだけで、肉食って性質を持つには変わりないぞ？
まあ、最初から人間を食料と考える個体はほぼ居ないそうだけどな。

きっかけがあるのさ。
他の理由の延長線上で、「コイツは食べられるかも」と食料と見なす場合もあるし、それにより味をしめて「うわ、コイツ食べるの簡単じゃん。これからは人間を食べよう」と考えるなど、だな。

正解。
だからこういう個体と遭遇すると、とてつもなくヤバい。

まったくだ。
以上で紹介を終わりするけど、ここで人間を食べる個体についてちょっと触れたい。

そういう個体は、今後も人間を付けねらう傾向があるそうだ。

人間に傷付けられた、人間を弱いと知ったことで人間を狙う個体が居るのは先のとおりだけど、中には「味をしめて」狙うこともあるんだよ。

まあ、そう考えても差し支えはない。
力はないわ、足は遅いわ、毛がなくて食べやすいわ、脂ものってるわ、栄養価が高いわで、実のところクマにとって最高の食事のひとつになるんだ。

まあ厳密に言うと、エサとして優秀って側面もあるようだけど、「人間の狩り方を覚えた」って言った方がしっくり来るかな。
よって、一度でも人を襲った個体ってのは駆除対象になるのがお決まりのようだ。

そこは基本だな。
その他、単独で行動しない、小グマを見ても近付かない、クマのフンや足あとを見たら引き返す、キャンプ中はテントの周囲にゴミを散乱させないなど、これを遵守することが重要だ。

ああ、それともうひとつ、基本的に鈴の携行が推奨されているけど、鈴が必ずしもクマを遠ざけるツールにはならないということだけは覚えておいて欲しい。

それが、逆にマズいこともあるんだ。
もし近くに居る個体が、過去に人間の味をしめていたとしたら…？

そのとおり。
つまり、逆に危ない。

まずは情報だ。
付近のクマ出没状況などをチェックは必須で、専用のサイトか県か市の公式で確認が出来るからそこから仕入れること。

さらに、さっき言った対策はもちろん、出来れば少なくない人が居る場所に混じることが重要だ。

それ最悪。
自らその身を差し出すのと何ら変わりはないぞ？
人間を知らない個体ならそれで免れるケースも過去にあったそうだが、味をしめている個体ならゲームオーバーだ。

それと、クマを発見して怖くなって逃げたい気持ちは分かるが、背を見せて逃げようとすると本能的に追っかけてくるからな？
大声もダメ。
びっくりさせてしまうから。

後を振り返らずに両手を上げて振り、じりじりと後ずさりしながら距離を置くといいそうだ。
優しく声を掛けるのも有効みたいだぜ。
ほとんどの場合、びっくり…と言うか驚愕してしまってその場に立ち尽くすことになるだろうけどな。
でもそれも有効みたいで、多くはそこでクマは逃げていくそうだ。

ま、ざっくりとした対処だけど、いつ鉢合うか分からないから取り急ぎ説明したぜ。
以上で今回の解説を終わりにしたいと思う。

まあな。
私たち二人でキャンプに行って、もし出遭ってしまったら…。

とりあえず、お前をクマの口に放り込んどくか。

ということで今回は、クマは木の実を食べて暮らす生き物なのにどうして人を襲って食べる個体が出てくるのか、について紹介しました。