クジラはなぜこんなに大きくなったのだろうか?

霊夢
ほんとクジラっておっきいねぇ〜。
魔理沙
ああ。
お前の器の6兆倍は大きいな。
霊夢
のっけからディスるの、そろそろやめろ。
で、なんで大きいの?
魔理沙
は?
霊夢
だーかーらー、なんでクジラは大きいのか聞いてるんだって。
もちろん何か理由があるんでしょ?
理由0でデカいとかありえないし。
魔理沙
もちろんあるぞ?
報酬はクジラカツな?
霊夢
ええ…ああ、うん…。
魔理沙
よし!今回は、クジラの大きさについて知るところを紹介するぜ!

そもそもクジラってどんな生き物?

魔理沙
じゃあ始めに、クジラがどんな生き物かについて軽く触れておこう。
クジラは哺乳類のクジラ目、または鯨偶蹄目の鯨凹歯類に属する、水生動物の総称となるんだ。
霊夢
クジラ目はそのままだから分かるけど、ぐーてー?クジラおうしるい?がよく分かんないなぁ。
魔理沙
鯨偶蹄目(くじらぐうていもく)の鯨凹歯類(くじらおうしるい)だよ。
そこにはカバも含まれてるんだぜ?
霊夢
カバ!?
近縁種ってことなの!?
魔理沙
「親戚」ってところだな。
そんでこのクジラ、大きく分けてハクジラとヒゲクジラとなっている。
参考程度だが、5m以下の小型成獣のハクジラはいわゆるイルカとなるそうだ。
霊夢
へー!
イルカがクジラの仲間なのは知ってたけど、そういう定義みたいなのがあったんだね。
魔理沙
そうそう。
そんで、海洋生物の中では最大の大きさを誇るんだが、シロナガスクジラについては海洋どころか全生物の中で最も大きいと言われているな。
霊夢
どのくらいだったっけ?
20mくらい?
魔理沙
いい線だ。
大人のシロナガスクジラで24m前後なんだが、34mってのも見つかっているようだ。
霊夢
34!?
園児なら、端から端まで走ったら徒競走だよ。
魔理沙
微妙に分かりにくい例えありがとう。
で、さっきも言ったとおり哺乳類だからな?
魚じゃないぞ?
霊夢
分かってるってば。
そろそろ大きさについて教えてよ。

なぜクジラは、大きな体をしているのか

魔理沙
OK。
じゃあまずひとつ目は、「なぜクジラは、大きな体をしているのか」についてだ。
霊夢
わー、パチパチパチー!
いつ頃からクジラって生き物が世界に現れたのかはよく分からないけど、あの大きさならどんな時代でも覇者だよね。
魔理沙
その生き物が、クジラとして現れた正確な時代は今から約5,000万年前と言われているな。
そんで実のところ、クジラは最初から霊夢の知るような大きさじゃなくて、もっともっと小さかったみたいなんだよ。
霊夢
えーー!?
いきなりこれまでの常識が覆っちゃったよ!
…でも、最初から大きいってのも変だし、そこは進化らしい進化をするのかなぁ。
じゃあおっきくなったのは3,000万年前くらい?
魔理沙
どの時代というよりも、時代を重ねるにつれ少しずつ大きくなっていったようなんだが、最近の研究によると450万年前あたりから急速に巨大化していった可能性があるとのことだぜ。
霊夢
はぁぁ!?
じゃあ今の大きさになったのは、そこまで昔じゃないってこと!?
魔理沙
そういうことだな。
しかも研究では、急速なサイズアップは450万年前から「始まった」とのことだから、今のサイズに至ったのはもっともっと最近って可能性もあるだろう。
霊夢
でもさ、何でそんなことが分かるの?
魔理沙
クジラの化石を、年代別に調べていったのさ。
それにより、クジラの進化の過程が詳細に分かったんだよ。
幸いヒゲクジラの化石は、あらゆる年代のものが揃ってたって話だし。
霊夢
な、なるほど。
つーか、いちいち全部調べたんだよね…
どのくらいあったんだろ?
魔理沙
シカゴ大学、グラハム・スレイター博士らの研究チームが調査をしたようだ。
具体的には、スミソニアン国立自然史博物館にある13種、合計140頭のクジラの化石と絶滅した63種類の種の化石が対象みたいだぜ?
霊夢
いつもありがとうございます!
途方もなさすぎて感謝の意しか出ないよ。
でもさ、なんでクジラはそんなに急いで大きくなったの?
魔理沙
いい質問だ。
まず前提として、意味のない進化はないと考えられている。
よってこの場合のクジラも、何らかの理由があって大きく、しかも急いだんだ。
要約すると、「その時代から身体を急いで大きくしなければならない理由」があったのさ。
霊夢
なんか、徐々に真相に向かっていく感じでいいね!
で、その理由って?

クジラはなぜあんなに大きくなったのだろう

魔理沙
その理由はお次の解説、「クジラはなぜあんなに大きくなったのだろう」で明かすぜ。
で早速なんだが、まずクジラの巨大化が始まった時期、地球に氷河期が訪れた。
霊夢
氷河期?
それって海の外の話だよね?
海洋生物に関係あるの?
魔理沙
あるに決まってるだろ。
気候は水温に影響するし、それに伴い海流にも干渉するんだぞ。
お前をオホーツク海に投げ込んでやろうか?
霊夢
ただの〇人だよね!?
しかもそれ、ただ冷たい海ってだけだし!
てか、氷河期が何なのさ!
魔理沙
実はこの氷河期こそが、クジラを巨大化させた要因である可能性があるんだよ。
霊夢
ひ、氷河期が…?
何やらかしたの?
魔理沙
まず氷河期により海の温度は下がり、氷冠と呼ばれる海に浮かぶ氷の塊を作り出した。
これが豊富に栄養を含んでいて、海に溶け出すのと一緒に栄養も海に流れて出たため、その場所に動物プランクトンが多量に発生したんだ。
霊夢
え!?
たしかクジラのご飯って…。
魔理沙
そう、プランクトンだ。
そして海流の変化も同時に起きてしまったことで、氷冠はあちこちに散りあらゆる場所でプランクトンが集中的に発生するという状況となったんだよ。
これをスイートスポットって言って、季節的にもその場所は変化していたと考えられている。
霊夢
てことは、世界中のあちこちにそれがあったってことになるよね。
クジラも大変だよ。
一回の食事が多いだろうから、そういう場所をわざわざ探さなきゃいけないし。
魔理沙
何気に答えを言ったじゃないか。
霊夢
え!?
また私のセブンセンシズが目覚めたの?
魔理沙
聖闘士はお呼びじゃねえよ。
クジラはそのスイートスポットを探すべく、世界中を駆け回ることになったんだが、そこで自分の身体が不利だと気付いたんだ。
霊夢
あああああ!
もしかして、世界中を駆け回るために身体を大きくしたってこと!?
魔理沙
正解!
プランクトンが豊富な次の場所へ移動するのに、小さな身体じゃ大変だったのさ。
だから身体を大きくして、遠距離を泳げるように自分を進化させたんだよ。
霊夢
ほえ~~~~~~~~~…感心するわぁ。
魔理沙
そしてこのクジラ、スイートスポットでたくさんプランクトンを食べることで、さらに身体を大きくしていったとも言われているな。
霊夢
なるほど。
クジラを大きくしたのは氷河期って、そういう意味だったんだね。
魔理沙
そのとおり。
なお20世紀に行われていた、人類による盛んな商業捕鯨により一時的にクジラは数を減らしたが、その際はクジラの平均体長が縮小していたという事実があったそうだぜ?
霊夢
そんな一時的な出来事でも変化するんだ!?
てことは現在は…。
魔理沙
ああ、さらに巨大化の傾向があると考えられている。
この現代、海はクジラで溢れ返っていると言っても過言じゃないからな。
一部のアホが、頑なにクジラは絶滅しかかっているなんて言ってるけど、とんだ大ボラ吹きだぜ!
霊夢
それは話題が違うから、今回はやめようよ…。
魔理沙
おっと失敬失敬。
まあシロナガスクジラなどの一部のクジラは、実際に数を減らしているから一概に大ボラとも言えな…すまん、やめとく。
まあこれまでの内容は未だ研究中であるため、確実に正解かと言われると疑問符が付く部分はある。
だがつじつまは合ってるし、一定以上の信憑性はあると言えるだろう。
今後の、さらなる研究の結果待ちだな。
霊夢
ふむふむ。
でもとりあえず、クジラが大きくなった理由は分かったよ。
でもさ、あんなに大きくある必要はあるのかな?
もう少し小さくったっていいと思うんだけど…

クジラは何故あのくらい大きいのか

魔理沙
それは今から説明する、「クジラは何故あのくらい大きいのか」に秘密が隠されているぞ。
霊夢
おお…会話の流れで次の話題に持っていくとは…。
魔理沙もこの動画に慣れてきたね。
魔理沙
何様だお前は。
で、どうしてクジラが今のようなサイズなのか、そしてそのサイズを選んだのかにも理由はちゃんとあるんだよ。
霊夢
「あっちゃー、デカくなったのはいいけどどうしようもないから、そのままにしとこ」みたいなのはないわけ?
魔理沙
なんで進化をあからさまにミスるんだよ。
で続けるが、クジラは哺乳類だと言ったよな?
霊夢
うん、言ってたね。
魔理沙
よって魚類とは違い、体温を奪われると直接死に繋がってしまうのは言うまでもない。
じゃあどうすれば、冷たい海に体温を奪われないで済むのか…分かるか?
霊夢
えっと、ぷっくぷくに太って肉じゅばんを……んん?
……もしかして、身体を大きくする?なーんて…
魔理沙
大正解。
構造にもよるけど、身体が大きければ大きいほど、身体の体積に対して水が触れる割合が小さくなる。
だから体内に熱を封じ込めておけるってことで、巨大化させたっていう説があるようだ。
霊夢
でもおかしいよね。
それだと他の海に住んでる哺乳類も、大きくなくちゃいけないじゃん。
魔理沙
大きいじゃないか。
アザラシとかマナティーとか、クジラほどじゃないとはいえ相当な大きさだぜ?
霊夢
ああああ!
そんなのもいたよ!
たしかにかなり大きいよね。
魔理沙
それだけじゃない。
あの丸まった身体っていうのは、水に接触する表面積を限りなく減らした結果なんだぞ?
霊夢
あ、そっか!
丸ってことは、一番表面積が小さくなるから…
魔理沙
だろ?
そしてそれは、クジラにも共通して言えることだ。
大きくて丸みのある身体にすることで、極寒の海でもなかなか体温が下がらないようにしているのさ。
霊夢
ふむふむ、これは納得だわ。
哺乳類なんだから、魚とは違って体温に気を付けなきゃいけないもんね。
それで大きくて丸みのある感じになったんだ…なるほど~。
魔理沙
それだけじゃない。
大きい身体のままであるということは、食べ物などを争う戦いなどで相手に勝利する可能性が高いってのもある。
霊夢
そりゃ身体が大きいほうが絶対有利だし。
海洋生物に柔よく剛を制すなんてないから、そこは分かるよ。
魔理沙
まあ現在もあのままの大きさである理由ってのは、今いったものが有力だとは思われるんだが未だ不明な点も多いんだ。
霊夢
そこまで言っておいて、まだ不明なところがあるんだ?
魔理沙
ああ。
と言うのも、海洋生物も含めた水生哺乳類の内、最も小さいサイズっていうのは、陸上生物のそれよりも1,000倍大きいんだ。
霊夢
んん?
水に居る方がめっちゃデカいのは分かるけど、それが何なの?
魔理沙
その一方で、最大サイズの方は陸上のそれよりも25倍しか大きくないんだよ。
霊夢
え、えーっと、つまり…?
魔理沙
要は、水生哺乳類ってのは陸上哺乳類よりも、大きさの幅が小さいんだ。
これが何を意味するか分かるか?
霊夢
比較的大きくなきゃいけなかったってことだから…。
うーん…ちょっと分かんないよ。
答え教えてー!
魔理沙
私も分からん。
霊夢
ぶっ飛ばすよ!?
魔理沙
今のところ分かっているのは、大きさの幅が陸上のそれよりも大きくないことから、陸上よりも自由がなかった、何らかの制約が掛かっていたと考えられているんだ。
だがそれが何なのか、具体的なことは今もまだ研究中で、分かっていない状態なのさ。
霊夢
つまり、何で生物は身体を大きくするのかってはっきりしていないんだね。
となると、これまでクジラの大きさについていろいろ話していたけど、魔理沙が言ったとおり確定ってわけじゃないんだ?
魔理沙
そういう解釈でいいと思う。
この事から、クジラは現在巨大化傾向とのことだが、その原因も本当のところを言うとまだはっきりしない、研究中と答えるのがベターなのかもしれないな。
霊夢
でもさ、巨大化なんてほんとにあるの?
あれ以上でっかくなっちゃったら、それこそ海いっぱいクジラになっちゃうよ。
魔理沙
まあ、商業捕鯨が盛んだった以前に戻るくらいだと思うから、そんなに身構えなくてもいいさ。
もっともっと大きくなったらそれは「進化」だから、少なくとも我々の目でそれを確認することは不可能だろう。
と以上で、今回の解説を終わらせてもらうよ。
霊夢
それならいいんだけどさ…。
そんでひとつ思い出したんだけど、水生哺乳類って言ったらラッコもいるじゃん!
ラッコって小さいよね?
あれはどう説明付けるの?
魔理沙
おいおい。
お前はラッコが進化の「結果」だと思ってるのか?
霊夢
へ?
どういうこと?
魔理沙
つまり、ラッコは未だ進化の過程であり、これから大きくなる可能性を秘めていると考えられないか?
何も我々が目にする全てが、進化の結果じゃないんだぞ?
霊夢
なんだってぇぇぇぇ!
ラッコが…ラッコがめちゃデカくなったら…。
魔理沙
なったら?
霊夢
かわいくない…。
魔理沙
そこかよ…もういいわ。
魔理沙
ということで今回は、クジラの大きさについて紹介しました。