ゆっくり霊夢です。
ゆっくり魔理沙だぜ。
ふー疲れた!
魔理沙も私の素早さに恐れを成したんじゃない?
アレはすごかった!
陸の上のマナティーかと思ったよ。
言うほど動かねぇだろ。
あと体型も同時にディスるとか、何一粒で二度おいしい感出してやがんだコラ。
まあまあ。
本音を言うとナマケモノくらいかな?
それも喧嘩売ってんのか!
別に普段ナマケてないだろ。
ん?
別にナマケモノって、ナマケてるから動きが遅いわけじゃないぞ?
そ、そうなの!?
日頃の私への侘びと感謝のために解説!
何が感謝なんだか…まあいいや。
なら今回は、ナマケモノは何故、あれほどまでに動かないような生活様式になっているのか?について解説するぜ。
それじゃあゆっくりしていってね!
それじゃあゆっくりしていってね!
https://youtu.be/DyLNabdTEw4
さーて霊夢。
ナマケモノってどんな生物だっけ?
うーん…ゆっくり動く。
スローリー。
鈍重。
OK、全部同じだな。
じゃあまずはナマケモノの概要から伝えておこう。
ナマケモノは哺乳綱有毛目ナマケモノ亜目の総称で、ミユビナマケモノ科とフタユビナマケモノ科が現生するぞ。
ミユビ、フタユビって、また分かりやすい名前だなぁ。
読んで字の如くの、めちゃ分かりやすい特徴だよな。
そんで、そのゆっくりとした動作から「怠け者」という呼び名なのは、誰もが知るところだろう。
改めて思うとすごいネーミングだよ。
侮辱罪で訴えても差し支えないレベルじゃん。
ナマケモノ自身に侮辱されてるって意識はねえよ。
で、生息域は南アメリカ、中央アメリカの熱帯林で、生涯のほとんどを樹にぶら下がって過ごすんだ。
食事や睡眠から交尾、出産までも樹にぶら下がったままで行うんだぜ?
ある意味卓越!?
てか、怠惰もそこまで行きついたらもはや勤勉だよ!
でもさ、なんでそこまでして木の上にこだわるの?
ジャガーやらピューマやら、地上はナマケモノにとって天敵だらけなんだよ。
だから身を隠す意味も込めて、一生のうちほとんどを木の上で過ごすのさ。
老齢のナマケモノは背中にコケが生えることがあるようだけど
これもまた擬態になるし、おやつにもなるって話しだ。
コケ生えるって、どんだけ動きが遅いのさ。
そんで、普段は一体何食べてんの?
そこは、今回のテーマにおける根幹となる部分だから後回しだ。
ということでそろそろ本題に入って行こうと思う。
おっけー!
さあ、今回も私を納得させてくれたまへ。
まったくこのガンメンは…で、ナマケモノは普段動物園で見られる。
そこでも動きがめちゃ遅いのは皆も知るところだろう。
グレン〇ガンっぽく言うな。
まあ、少なくとも早く動いているのは見たことないなぁ。
まあその動かなさと言ったら、1日あって20時間は動かないってレベルだからな。
動かなさ過ぎて草
そんで、今からは進化の話になっていくんだけど、まず3500万年ほど前に
北アメリカ大陸から南アメリカ大陸にかけて、「グランドスロース」って種が生息していたんだ。
へー、そんな昔からナマケモノみたいな動物が居たんだね。
とは言っても、現代に生息するナマケモノのような感じじゃなく
強靱な腕でサバンナや森林をゆうゆうと移動し、鋭い爪で草を根から掘り起こして食べたり
木に登って葉や太古のアボカドを食べていたそうだな。
あれ?
木の上で生活していたんじゃないんだ?
生活様式もあるだろうけど、当時のナマケモノの仲間には「メガテリウム」ってのも居て
コイツは体重が1トンほどあったようだから、木の上なんてとても無理だろう。
グランドスロースも10kgくらいあったみたいだし。
ゾウじゃん!?
そんなのが徘徊している世界とか、真っ先にエサになる自信あるよ…
今も十分エサだけどな。
で、こうして何百万年も繁栄していたグランドスロースたちなんだけど
およそ1万年前に西半球に生息していた他の巨大哺乳類とともに数を減らしていったそうだ。
ムカッ。
まあ繁栄もあればその逆も然りって感じだよ。
結局絶滅しちゃったのかな?
グランドスロースはな。
だけど小さなナマケモノの一部は生き残り、生活の場を樹上に移したのさ。
これが現代を生きるナマケモノの直接的な祖先になるな。
え?
でもさ、これまで地上のものを食べて生活してたんでしょ?
木の上に上っちゃったら食べるものが少なくなるじゃんか。
それよりも、ナマケモノにとってメリットの方が大きかったんだよ。
樹上生活には捕食者に狙われにくく、エサとなる葉もたくさんあるだろ?
葉っぱって…そんなの大したエネルギーにならないじゃん。
そのとおりだ。
生き物は食事でエネルギーを補給し、生命活動や体温の維持、移動などにそれを利用する。
だけど葉は低カロリーで、しかもエネルギーの摂取が容易じゃない。
そうそう。
だから草食動物の多くって、草だけじゃなく木の実とか種子を食べるのも多いんだよね?
リスとか木の実かじってるし…
よく知ってるじゃないか。
そう、でもナマケモノは頑として木の上から降りず、葉を主食にして現在に至った。
これこそが、ナマケモノという生物の生存戦略、そして生活様式となっていったんだ。
ど、どういうことなの?
なんでそれを選択したの?
①エネルギーを無駄にしないため
じゃあその理由をお伝えしよう。
まずひとつ目は、食料からは可能な限りエネルギーを摂取…つまり、エネルギーを無駄にしないためだ。
え?
そんなの食べちゃったらみんな同じなんじゃないの?
実は、ナマケモノの体の3分の1を占める胃はいくつもの部屋に分かれていて
種によっては1週間程度は食事なしでも過ごせるって話だぜ?
えええええええ!?
1週間も!?
彼らは食べたものを消化するのに平均で16日間掛かるようで
それが、食べた物からのエネルギー吸収を極限にまで高めているのさ。
なるほど…でも、そうなると一度にたくさん食べなくちゃいけないよね?
ところがどっこい、ナマケモノが1日に食べる量は「8gの植物の葉や新芽」なんだよ。
少な!!!!
ち、ちょっと待ってよ!
いくら食べ物からエネルギーを最大限吸収したとしても、そんだけじゃ全然動けない…
…は!?
②エネルギーを消費しないため
さあ、そろそろ気付いてきたかな?
てなことでふたつ目に行くが、これまでの事から分かるように
ナマケモノは無駄にエネルギーを消費しない生活様式となっているんだ。
自然とそうなるよね。
たったそれだけの食べ物じゃ、満足に力も出ないよ。
別にそれで不自由しているわけじゃないんだけどな。
で、「あまり動かない」というのはこの戦略を反映したもので
生活の時間のほとんどは「食べる」「休む」「寝る」に費やされることになるんだよ。
でもさ、たまに木から降りることがあるじゃん?
あれって何なの?
トイレだ。
週に1回程度の頻度で、ナマケモノは木の下に降りて用を足すのさ。
貴重な地面がトイレのためだとは…
そんで、この事から分かるようにナマケモノは新陳代謝が非常に遅い。
そして常にエネルギー不足という状態であることから、計画的に動かなくてはならないんだ。
あののったらした動きは、計算づくの行動だったのかぁぁぁ!!
計算ってか、自然とやってるって感じだけどな。
ほとんど動かない、動いてもゆっくり、挙句の果てには食べるのも「少量」という
究極レベルのエコ生活を行っていると言って差し支えないだろう。
完全に納得してしまった。
でも生き物って、生きてるだけでカロリー使っちゃうから、そこの調整も大変だね。
まあな。
人間に置き換えるけど、生きてるだけで「基礎代謝」ってのがあって
覚醒状態の生命活動を維持するために、生体で自動的に行われている活動における必要最低限のエネルギー…
つまり「生きてるだけでエネルギーを使う」ことになるから、省エネにも限界があるように見える。
ん?
限界があるように「見える」?
これも驚きなんだけど、ナマケモノって哺乳類では珍しい変温動物で
「体温を維持する」という、エネルギーを使わないための仕組みを持っているんだ。
なんだってえええええええ!?
そこもエコっちゃってるの!?
そうなんだ。
考えうる、「エネルギーを消費しない」を実践しているのが、ナマケモノという生物なのさ。
こりゃもう驚きの連続だよ。
人間はアレだね。
動物園で、ナマケモノを見て「ホントに怠けてるゥ~」とか馬鹿にするんじゃなくて
「ナマケモノ様、我々にエコの何たるかをご教示くださいまし」って見る度に平伏しなきゃいけないよ
動物園の一画が地獄絵図になるだろ。
なお、さっき新陳代謝の話をしたけど、その遅さで哺乳類をランク付けすると
1位がミツユビナマケモノ、2位がジャイアントパンダ、3位がフタツユビナマケモノだそうだ。
上位3つに二つ入ってるぅぅぅぅぅ!!!
そういや、パンダも笹食って生きてたね…
…なるほど、だから木の上だけでも生活が成り立つのか…
しっかり考えられてるんだなぁ。
③天敵から逃れるため
てなことで最後のみっつ目に行くんだけど、これはさっきも触れた内容だ。
木の上を居住場所にしたのは、天敵から逃れるためでもあるんだよ。
そこはさっき言ってたね。
でもさ、木の上に居るだけでそんなに安心、安全なの?
ネコ科の動物って、木に登るのも居るみたいだし、そこまで安全とは思えないなぁ。
そこでエコ生活だよ。
ナマケモノが動かないって、これまでさんざん言ってるじゃないか。
動かないって……あ!!
分かった!!
動かないから他の肉食獣に見つからないんだ!!
そのとおり。
つまり、究極のエコ生活が結果的に身を守ることにも繋がってるんだよ。
たーだーし。
どうしたの?
トイレの話をしたけど、その時がナマケモノにとって最大のピンチになることがあるんだ。
あ、地面だからか…
そう。
地面では動いてるし、色からして保護色もかえって目立つ要素となってしまう。
しかも動きが遅いから、狙われでもしたら一貫の終わりだ。
そういう弱点もあるんだね。
じゃあいっそのこと木の上から垂れ流せばいいのに。
それはやらないみたいだな。
理由は追求中だけど、どうにも背中のコケと関連があるとか…
ま、それはまた別の話だから今回はここまでにしとくぜ。
いや、ほんと今回でナマケモノを見る目が変わったよ
あの動きこそが、生存戦略の賜物だったわけだね
そういうことだな。
ナマけているどころか、ナマケモノにとって完璧なペース配分だったってことだ。
ううむ……今度は尊敬の眼差しで見ておくか…
だな。
私もお前を見る目を、もっと蔑んだものにしていこうと思う。
なんで!?
あえてやらなくていいんじゃない!?
最後だからって無茶苦茶言ってんじゃねえぞ!
ということで今回は、ナマケモノは何故、あれほどまでに動かないような生活様式になっているのか?
について紹介しました。
最後までご視聴頂き、ありがとうございました。
最後までご視聴頂き、ありがとうございました。