ハブとマングースの戦いはなぜなくなった?(沖縄の)野生のマングースはハブをほとんど捕獲しないって本当?

霊夢
あ~、一度でもいいから沖縄行ってみたいよ。
魔理沙
そうだな!
美味しい食べ物とか、綺麗な海とか、独特の文化とか…
霊夢
ハブVSマングースとか。
魔理沙
……それかよ。
今はもう見れないんだぞ?
霊夢
な、な、なんだってぇぇぇぇぇーーーーー!
ま、いっか。
沖縄行ったら、その辺でハブとマングースのリアルファイト見れるでしょ。
魔理沙
あっさり切り替えたな。
そんで沖縄はそこまで殺伐としてねえよ。
あと、そもそもからして野生のマングースってハブを狩らないんだぜ。
霊夢
ダブルショォォォォォォーーーーーック!!!
理由を言え!
さもなくば今日の晩御飯、ハブ酒に入ってるハブのキバだけ!
魔理沙
まず食べ物じゃねえ…。
それは困るから、今回はハブVSマングースのバトルがなくなった理由と、野生のマングースの実情について紹介するぜ!

マングースの基本情報

魔理沙
てなわけでハブとマングースについて今回は語るわけだが、どちらかと言うとマングース主体だからこっちの方を説明させてもらうよ。
霊夢
どうでもいいから早く!
理由だよ理由!
魔理沙
急ぐとまんじゅうの貰い手がなくなるぞ?
まずは、マングースがどういう動物かについて話をしていくから。
霊夢
そこの貰い手は必要ねえわ!
ま、よくよく考えたらハブは何となく想像出来るけど、マングースってよく分かんないから聞いておいた方がいっか。
魔理沙
だろ?
ということで始めるが、まず沖縄などに持ち込まれたマングースっていうのは、フイリマングースという種で比較的小型のものなんだ。
食肉目マングース科エジプトマングース属の動物で、ミャンマー、中国南部、バングラデシュ、ブータン、ネパール等に分布しているぞ。
霊夢
めちゃくちゃ広いねぇ。
そんなデカい範囲で生息してるんだ。
魔理沙
日本じゃ、それこそ今回話題の「ハブVSマングース」でしか、一般人は認知していないからな。
そんで姿なんだが、動物園にいるミーアキャットが限りなく近いかな?
霊夢
ああ、あの胴長の動物ね。
仲間なんだ?
魔理沙
ああ。
そんで全長は25~37cm程度、体重は0.3~1kgと軽量で、手足が短いのが特徴だ。
霊夢
ふむふむ。
そんで昼行性なんだっけ?
魔理沙
知ってるじゃないか。
昼行性の雑食で、種によって単独か群れで行動するかが変わるんだ。
ちなみに野生下での寿命はだいたい4年といったところか。

日本に持ち込まれた経緯

霊夢
ふーん……でもさ、生息域に日本が入ってないけど、それってどういうことなの?
魔理沙
問題はそこだ。
実はこのマングース、元々日本にはいなくて海外から持ち込まれた生き物なんだよ。
霊夢
そ、そうだったの!?
トムジェリよろしくな関係で、お互い在来種なんだと思ってたよ……。
てか、なんで持ち込む必要があったのさ!
かわいいから?
魔理沙
愛玩動物にちゃ凶暴過ぎる。
そんで、持ち込まれたのは1910年前後と言われているんだが、まず当時の沖縄じゃネズミによるサトウキビの食害が問題視されてたんだよ。
霊夢
ねずみ?
ここで第三勢力とか、話が長くなるからやめた方がいいよ?

厄介な問題

魔理沙
何の心配だよ。
で、たしかにねずみも問題なんだけど、この問題に伴いさらに厄介な問題も抱えるようになったんだ。
霊夢
なにそれ?
魔理沙
ねずみを、ハブが追ってくるんだよ。
霊夢
ぎゃあああああああああ!!
魔理沙
だから、ハブまでサトウキビ畑に入り込んで、農業者が咬まれて死傷する事件が相次いだんだ。
霊夢
危険過ぎるよ……。
私なんてシマヘビで叫ぶのに、ハブなんて出てきたら気絶してザ・エンドだね。
魔理沙
ジ・エンドな?
そこで、この状況を打破するため調べたのか、「お、おい!マングースってヤツがねずみは食うし、コブラの天敵でもあるらしいぜ?」という話を耳にしたことで、ハブも殺ってくれるだろうと持ち込まれたのさ。
霊夢
なんか行動原理がめっちゃ単純だね……。
魔理沙
当時は外来種って概念がなかったしなぁ。
なお奄美大島にも1979年に持ち込んでいる。

野生のマングースがハブを狩らない

霊夢
なるほど……。
でもさ、見世物のハブVSマングースってしっかり戦ってるじゃん。
魔理沙
そりゃ、対峙すればお互い生き残らなきゃいけないから、戦うしかないじゃないか。
霊夢
うん?
その言い方だと、どちらも積極的に戦うわけじゃないみたいだね?
魔理沙
いいところに気付いてくれた。
なら先に、野生のマングースの実情についてから話しておこう。
まず冒頭で言った、野生のマングースがハブを狩らないのは本当だ。
霊夢
そこが納得出来ないよ!
ライバルなんでしょ?
天敵なんでしょ?
桜木花道と流川楓なんでしょ?
魔理沙
別にフンフンフンはしねえよ。
理由なんだが、マングースを解き放った後の1980年に追跡調査が行われたんだが、そこで驚くべき事実があったことで発覚したんだ。
霊夢
解き放ったのが1910年で、追跡調査が1980年って遅すぎない……?
魔理沙
おそらくその途中もやってたんだと思うけど、詳しいことは不明だ。
そんでその事実だが、なんとマングースはハブをほとんど捕食していなかったんだよ。
霊夢
それでマングースはハブを狩らないって結論になったんだ?
でもなんで?
コブラとも戦うんでしょ?
魔理沙
理由はいくつかある。
そもそもマングースは昼行性で、ハブは夜行性であることから鉢合わないんだ。
霊夢
スタートからダメダメじゃん!?
魔理沙
さらに、実はハブってコブラよりも攻撃性が高くて、マングースにとっても非常に危険な相手だったのさ。
霊夢
ハブ強ぇぇぇぇぇぇーーーーー!
魔理沙
連中の住む場所は自然界だ。
可能な限り安全を目指そうとすることから、わざわざ危険な相手を選んで狩ろうなんて思わなかったんだよ。
霊夢
に、に、逃げやがった!
きちんと勤めを果たせ!!

マングースによって引き起こされた悲劇

魔理沙
人間の勝手な解釈、期待に応える理由なんてないさ。
しかし、マングースによって引き起こされた悲劇はこれだけに収まらない。
霊夢
役に立ってない上に、何かしでかしやがったの!?
ふざけやがって……その可愛い顔をモフモフしてや……
魔理沙
1秒で咬まれるぞ?
死ぬほど気性が荒いからな。
それどころか狂犬病を保有していることもあるらしいから、割とマジで死ぬぞ?
霊夢
ひいいいいいいいいいい!!
害しかないじゃんか!
魔理沙
そう。
この度のマングースの持ち込みってのは、結局害でしかなかったんだよ。
結局ねずみもほとんど狩らず、自身のエサにしたのは…なんと、ヤンバルクイナなどの沖縄固有の希少種だったのさ。
霊夢
えええええええ!?
ヤンバルクイナって絶滅危惧種になってる動物でしょ!
そんなのが食い荒らされたら……え?
あ……もしかして……
魔理沙
気付いたか?
そう、ヤンバルクイナを絶滅危惧種にした原因には、マングースも一役買ってんだよ!
霊夢
な、なんてこった……
魔理沙
その他、奄美大島に生息するアマミノクロウサギや、アマミイシカワガエルなども捕食することから、固有種等のさらなる減少が懸念されていた。
霊夢
うあああああああああ!!
は、早く何とかしないと!!
……うん?
されてい「た」?
魔理沙
ああ。
少なくとも、奄美大島は「何とかした」と言っていいかもしれないな。
霊夢
えええ!?
どういうことなの!?
魔理沙
マングースの被害を深刻に受け止めた奄美大島は、在来種の回復の確認を目的に結成された専門集団、「奄美マングースバスターズ」を結成したんだよ。
霊夢
お、お、おおおおおおお!
そんで成果はあったの?
魔理沙
成果があるどころか、2000年のマングース1万匹をピークに、2005年にはおおよそ2600匹、そして2017年には10匹となり、ピークの1%以下にまで減らすことに成功したのさ。
霊夢
SUGEEEEEEEEEEEE!!
でも、1万匹ってすごいね……最初は数十匹とかそんなんでしょ?
魔理沙
30匹がスタートと言われているな。
まあ奄美大島に関しては、マングースの脅威を完全に押さえ込めていると考えていいだろう。
霊夢
でも沖縄本島はどうなってるの?
魔理沙
そっちでも駆除は行われていて、最も多かった時期よりも1/16に減ったって話だ。
本島の方も、一応は押さえ込めている感じだな。
実際、固有種の数も回復傾向にあるようだし。
霊夢
たった何十匹放っただけなのに、何十年も掛けて駆除しなきゃいけなんだね。
しかもマングースは被害者で無理矢理連れてこられたのに、邪魔だからって駆除ってさぁ……
魔理沙
まったくもってその通りだ。
人類はその辺り、もう少し慎重に考えて欲しいもんだよ。

ハブVSマングースが終わった理由

霊夢
だね。
でもそんなに数が少なくなったら、ハブVSマングースが……って、あああああ!!
それだよそれ!
ハブVSマングースが見れないってどういうことなのさ!
魔理沙
んじゃま、今度はその話をさせてもらおうか。
まず、霊夢の言うハブVSマングースは、かつて沖縄の観光において定番とも言える見世物で、中高年以上であれば実際に見たことがある人も多いはずだ。
霊夢
そりゃ、めちゃめちゃ有名だしね。
魔理沙
だが時は2000年、「動物愛護及び管理に関する法律(通称:動物愛護法)」により、禁止されてしまったのさ。
霊夢
法律で禁止されたの!?
条例とか、自粛とかじゃなくて法律!?
もうどうしようもないじゃん!
魔理沙
どうしようもないな。
だから現在ではもう絶対に見ることが出来ないぜ。
霊夢
でもさ、なんでそんなこと決まっちゃったの?
魔理沙
まず「残酷」であること。
よく考えてみろよ。
言ってしまえばコレ、ただの殺戮だぞ?
霊夢
あ、あー…倫理的な観点ってことね…。
まったく、世の中の倫理マンは…
魔理沙
やめろ、おいやめろ。
そんで次、ハブの調達に結構お金が掛かるって話を聞いたことがあるな。
霊夢
ええ!?
ハブってお金掛かるんだ…
魔理沙
まあかなりヤベー生き物だしなぁ。
そういう背景もあってか、ハブVSマングースがあった時代でも、決着が付くまで見せることは少なかったそうだ。
霊夢
はぁぁぁぁ!?
それ見に来てんのに、決着見せないって何!?
魔理沙
調べによると確かに対決はするんだけど、決着などの重要な部分に差し掛かると板が挟まれ、司会が「これ以上やるとウチら商売にならないので」と、終わらせてしまうみたいなんだよ。
霊夢
なんじゃそりゃあああ!
魔理沙
まあでも言いたいことは分かる。
決着ってことは、どっちかが死ぬってことだからな。
手持ちのハブとマングースを失うのが痛手って理由もあるんだろうけど、それなら対決じゃなくて「ショー」にしとけよって思う。
霊夢
ほんとだよ……って、あれ?
そういや、ハブとマングースってどっちが強いの?
魔理沙
マングースのようだぜ?
ハブが勝つのは20回やって1回、またはそれ以下らしい。
霊夢
へー、強いんだね。
それなら沖縄でも奄美大島でも、自然でハブ狩っちゃえば良かったのに。
魔理沙
それでも、余計な危険は冒さないのさ。
まあとどのつまりは「法律」が、ハブVSマングースをなくしたっていう結論だな。
霊夢
なーんだ。
法律って言われると、何か一方的でつまらないなぁ。
魔理沙
そう言うなよ。
実は今でも、戦いこそしないけれどもハブとマングースのショーは行われているらしいからな。
そっちを見るのもまた一興だぞ。
霊夢
まあ生で見たらまた違った魅力があるんだろうけど、やっぱり対決が見たかったぁぁぁぁ!
魔理沙
となると、もうYoutubeしか手段はないな。
あ、そうだ。
沖縄行って、リアルファイトが起こるまで待ってろ
霊夢
いずれハブにやられるわ!!!!!
まあそもそもからして対決じゃなくて、ショーみたいな感じだったのならYoutubeでもいいかな……
魔理沙
もうアレだ、霊夢。
そんなに血をみたいなら、全身にハチミツ塗りたくってイエローストーン国立公園でも歩いてろ。
霊夢
自分の血じゃねーーーか!!
グリズリーなんて相手に出来るか!!
魔理沙
顔面殴られてホームランだな!
ということで、今回の解説を終わりにさせてもらうぜ。
霊夢
なるほど~……そういう理由があったんだね。
マングースがハブ捕まえないにしても、ハブVSマングースがなくなったにしても。
魔理沙
どちらにしても、「時代」ってのが大きく関わっているな。
時代に外来種の概念がないことによるミス、時代の移り変わりと共に国民の価値観が変わった……そんなところだろう。
霊夢
じゃあ今の時代は、私にモフモフされるために…
魔理沙
そうだな。
うんと咬まれるがいいさ。
引っかくだろうし、病気もあるだろうし…あ、ついでにハブなんてどうだ?
魔理沙
その二つと私を対決させんな!!!!
魔理沙
ということで今回は、ハブVSマングースのバトルがなくなった理由と、野生のマングースの実情について紹介しました。
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