ゆっくり霊夢です。
ゆっくり魔理沙だぜ。
なるほど、帰巣本能かぁ…
これなら何処に居たって帰れるね。
犬の図鑑なんて見てどうしたんだ?
お前もそろそろ和菓子の図鑑に載りたいのか。
食用じゃねえし、なんだ和菓子の図鑑って。
じゃなくて、犬は迷子になっても帰れるからすごいなーって思ったんだよ。
そりゃ、きちんと理由があるから帰れるのさ。
お、その前振りはちゃんと説明してくれるってことだよね。
でも手短にね。
もはや教えを乞う姿勢じゃないな。
だが言った手前仕方ない…今回は犬はなぜ迷子になった後、家に帰って来られるのか?について解説するぜ。
それじゃあゆっくりしていってね!
それじゃあゆっくりしていってね!
さてさて、犬が迷子にならない根底には「帰巣本能」というものが背景にあるのは
誰もが知るところだと思う。
そうそう。
キソーホンノーだよキソーホンノー。
ほんとに分かってんのかな…
そんで、じゃあ帰巣本能って何だよって話になるんだけど…分かるか?
それを知りたいから聞いてんだけど…
悪かったよ…
帰巣っていうのは、見知らぬ場所から自分のテリトリーや生まれ故郷に戻る行動を言うんだ。
よく迷子だったり捨てられた犬が、自力で帰ってくるって話があるだろ?
アレだよアレ。
アレってすごいよね。
めちゃくちゃ離れてても帰ってくるんだからさ。
ジョルノなの?
ゴールド・エクスペリエンスじゃねえし、片割れから生み出されたものじゃねえよ。
一定の動物には備わってるもんなんだぜ?
一定っていうことは、犬以外にも備わってるってこと?
そのとおり。
猫もそうだし、ツバメやハト、ミツバチにアリ、鮭もそうだな。
そ、そんなに居るんだ!?
そういや鮭って、同じ川に戻って来るっていうもんね。
ただ犬や猫と、今紹介した生物ではその帰巣性は異なるようだ。
異なるって、具体的にどういう感じで?
帰巣本能のある生物っていうのは、体内時計や生体磁石を持っているんだけど…
おっと、その前に生体磁石って何なの?
それを説明するなら、まず「磁覚」って言葉を知らないといけないな。
あ、説明の説明になると後が大変だよ?
お前が言うんじゃない。
磁覚は別名「磁気感覚」とも言って、磁場の方向や強さ
場所を生物が知覚することを可能にする感覚を言うんだ。
で、一定の生物にはそれを感知することの出来る生体磁石ってのを持っているのさ。
へーーーーー!
でもどんな感じで使われるの?
例えば鳥類なら、渡ろうとする際にその生体磁石により磁気場を感知し
正確なルートを把握しておくことが出来るのさ。
帰巣性のある生物みんなが生体磁石を持っているのかは不明だけど
さっき挙げた生物は全部磁覚を利用して自分の巣に帰っていく
また元の場所に戻ってくるんだ。
渡り鳥とか、遠距離ってレベルじゃないよね…すげえ。
それに比べ人間は、ちょっと進んだだけで迷っちゃうから困った生き物だよね。
これは余談だけど、人間にも磁覚はあるみたいだぞ?
それを上手く使えるかどうかはその人次第になるんだろうけど。
えええええ!?
そうだったのーーーー!?
私すぐ道に迷うんだけど…
顔がぷるんぷるんだから、磁気をはじき返すのさ。
磁気が弾力ではじかれるわけねえだろ。
あたかも本当っぽく言うんじゃねえよコラ。
そんで話を戻すけど、犬や猫もそれを持っているわけなんだが…
ふむふむ。
そりゃあ余裕で帰って来られるよ。
さすがお犬様だねぇ。
犬や猫は、それ以外の生物と比較してもさらに帰巣能力が高いそうなんだ。
え!?
渡り鳥とか鮭よりも上なの!?
そういうことになるな。
と言うのも、犬や猫っていうのはその体内時計や生体磁石に加えて
発達した嗅覚が帰巣のための武器になるんだよ。
倍プッシュ!?
でもさ、嗅覚がすごくて何の意味があるの?
散歩中に、犬が地面の臭いを嗅いでいるときはないか?
あー、あるね。
何かを探してるんじゃないの?
もしそれが「自分の臭い」だとしたら?
自分の臭い…?
散歩中にそんなの嗅いで何の意味があるの?
……
ん?
散歩中?
自分の臭い…?
……
ああああああああああああああああ!!
さて、答えを聞かせてもらおう。
つまり、散歩が始まったときから自分の臭いはまき散らしているわけでしょ?
時折それを確認することで自分の臭いを確認するのと一緒に
それを辿ればやって来たルートで帰ることが出来るんだ!
そう。
これが、犬が体内時計や生体磁石だけでなく
嗅覚もあることから帰巣本能が優れているという根拠になるのさ。
一方で渡り鳥も鮭も、犬みたいな嗅覚がないことから
純粋に体内時計と生体磁石だけでその帰巣性を維持していることになる。
目からうろこどころか鎧…いや、アーマードマッスルスーツだよ!
いやー、犬っていうのはもうほんととんでもない生き物だね!
どこのスプリガンだお前は。
なお『犬』と一括りにしているけど、すべての犬が帰巣本能に優れているわけじゃない。
そうなんだ?
てことは、犬によってその能力に差があるってことなんだね。
そういうことになるな。
中でも、よく言われているのがシベリアンハスキーだ。
ええ!?
それこそ雪まみれの場所で生きてるような犬種だよね?
帰巣本能ショボショボじゃすぐお陀仏じゃんか!
それなんだよそれ。
シベリアンハスキーは基本的に過酷な環境で生きていることが多いため
もしも飼い主や仲間とはぐれた場合は帰巣しようとする本能よりも
自分が生き残るっていう本能を優先するって話なんだよ。
ほー、へー、なるほど…
過酷な環境が、逆に帰巣本能を弱くしちゃったのか。
じゃあ逆に絶対帰ってくるマンは?
柴犬と言われているな。
まあ犬種というよりも、どちらかと言うと個体差、飼い方
またその犬の能力によるところが大きいみたいだけど。
でもさ、そういうエピソードってよく聞くけど、実際のところはどうなのかな?
現実の世界じゃ、案外大したことないんじゃないの?
そんじゃま、帰巣本能をがっつり活用した事例を話してみようか。
お、あるんだ?
そういう話好きだよー。
これは、とあるコリーミックスっていう犬種の話だ。
時は1923年の夏、場所はインディアナ州のウォルコットにおいて
飼い主の運転する車から飛び出してしまい、行方不明になってしまったんだ。
あらら…何歳くらいの犬なの?
6ヶ月。
子どももいいところじゃん!?
車から飛び出したってことは外出中だったってことでしょ?
そんで移動手段は車…そんなのじゃ絶対帰ってこれないよ!
飼い主もそう思ったんだろうな。
八方手を尽くして捜索をしたそうだが、結局見つからずじまいだったんだ。
だろうね。
てかさ、そもそも何処まで出掛けてたのさ。
距離によっては帰れる可能性もあるだろうけど…
4800km。
帰れるか!!!!!
ところがだ、その6ヶ月後に飼い主の運営するレストランに辿り着いたんだよ!
なんだってえええええええええ!?
ど、どうやって帰って来たのさ!
飼い主の話によると、行方不明になった場所から自宅に戻るためには
イリノイ州とアイオワ州を超え、川を泳いで氷に閉ざされたミズーリ州を横切り
ロッキー山脈を超えなければならない…ってことは、つまりはそういうことだな。
八甲田山より過酷だった…
あ、でもさ、そのルートって本当なの?
かなり盛ってない?
そこについてだけど、オレゴン州の動物愛護協会会長は
この犬を目撃したりエサや寝る場所を実際に提供した人々のインタビューから
辿った道程を再現したことで紛れもなく本物だと断定したそうだ。
YABEEEEEEEEEEEEE!!
もはや帰巣本能ってレベルじゃねえ。
でも、それができる犬とできない犬がいるんだよね?
まあな。
でも、さっき話に出てたシベリアンハスキーも、遠方から無事帰って来たっていうエピソードもあるんだぜ?
おお!
あるんだ?
となると、やっぱり犬種っていうより育ちとか個体差なのかなぁ。
この話から察するに、きっとそうなんだろうな。
ちなみに具体的な内容だけど、これはネバダ州エリーでの出来事となる。
飼い主が三匹の犬をドライブに連れていった際に、休憩場所で姿を消してしまった犬が居たんだ。
それで迷子になっちゃったんだね。
だな。
そんで飼い主は数時間行方を捜すものの見つからず…ついに諦めて、家路に着いたんだ。
ちなみに距離は?
自宅から123kmだったそうだ。
100km超えか…それも相当ヤベー距離だね。
東京住みなら、宇都宮辺りで餃子が食べられるよ…
なんて例えだ。
そんでその後、1週間掛けて飼い主の元へ戻ったみたいだけど
ルートが砂漠やら山やら川で、やはり過酷だったと言えるだろう。
砂漠て…さすが海外。
いやー、犬がこれほどまでにすごいとは、今回改めて知ったよ。
しかし、先にも話したけど個体差などにより、帰巣本能の強弱はその犬によって異なる。
そのため、「じゃあ放し飼いでも大丈夫」などの曲解をしないでほしいんだ。
でもさ、数百数千kmを帰ってくるんだから、ご近所程度なら大丈夫でしょ。
それが命取りだ。
飼い方によっては、帰巣本能が著しく弱ることもあるって話だし
そもそも犬が単独でその辺りを歩いてたら危ないだろ?
ま、まあそれもそうだね。
これもついでに言っておくけど、飼い犬が危なくないと思っているのは
その犬の飼い主だけだということを忘れちゃいけない。
痛いところを突くけど、それは間違ってないよ。
自分にとっては可愛い犬だけど、他人からしたら怖いってこともあるもんね。
ましてや大型犬となれば…
だろ?
そして犬自身も危ないのは言うまでもないな。
それは分かるよ。
車とか電車とかに轢かれる可能性だってあるし…
そういう意味でも、妙な解釈をしないようにしていただきたい。
あくまでも不可抗力、思わぬトラブルでの結果…そういう経緯で
離ればなれになってしまった際の奥の手程度に考えておくべきだろう。
りょーかい!
まあ、あえて帰巣本能を試そうなんてことはしないから大丈夫だよ。
そうならいいが。
ということで、今回はここまでにしておこう。
うーん、私もあやかりたいなぁ。
そんな能力があれば一生迷わなくて済むよ。
じゃあ生体磁石を付けてみたらどうだ?
ええ!?
そんなこと出来る…って、何これ?
S極。
そういう磁石じゃねえのは明白だろうがこの野郎。
あと、N極近付いたら毎回毎回『おっとっと』ってすんのか。
ということで今回は、犬はなぜ迷子になった後、家に帰って来られるのか?について紹介しました。
最後までご視聴頂き、ありがとうございました。
最後までご視聴頂き、ありがとうございました。