クジラはプランクトンを食べるが、食べ続けないといけない量はどのくらいなんだろうか？

ふむ…カツ丼に親子丼、天丼、牛丼、ちむどんどん、と…
なかなかの胃袋だな。

クジラに比べれば下の下。
なんなら、食べ終わったお前を丸呑みできるな。

ヤバイ。
何がヤバイかって、生態系狂うレベルでヤヴァイ。

ああ。
今回はクジラの食べる量などについて解説するぜ！

さて、クジラの食べる量はいいんだが、そもそもクジラが何を食べるのか霊夢はきちんと理解しているか？

はっ倒すぞ。
オキアミなどのプランクトンや、サンマやイワシ、イカなどが主だった食べ物となるんだ。

まあ、あくまでも主だったもので、結局はクジラの種類や海域で異なるんだけどな。
例えばシロナガスクジラ、ザトウクジラなら、南極海であることからオキアミなどのプランクトン。
ミンククジラ、ニタリクジラなら太平洋であることから魚…って感じだ。

ああ、そこか。
これも例えになるが、ヒゲクジラ類であれば海水を口に含んで、ヒゲ板と呼ばれる器官で動物プランクトンをこし取って食べるのさ。
だから余計な海水を飲まず、上手くプランクトンを飲み込むことができるんだよ。

今回のメインテーマだな。
それについてはもちろんクジラにもよるから、一概に「クジラはこんだけ食べる！」とは言えないところがある。
だからメジャーなシロナガスクジラを例にするが…一体1日にどのくらい食べるか分かるか？
テキトーに答えてもいいぞ。

なんで個数で言ったんだよ。
あと餃子の王将じゃねえから。
ちなみに体重の4%と考えられている。

じゃあ、やはり最もメジャーなシロナガスクジラを例にしよう。
まあ個体差はあるんだが、大体80トンから200トンの間と考えていいだろう。

……。

ま、その辺りについては後でもっと詳しく語ることになるから、今はそれで良しとしておくよ。

ちなみに霊夢。
世界中のクジラが、1年で食べる海洋生物の総量って質問をされて、想像することができるか？

今の霊夢の計算で考えると、ざっと3〜5億トンになるんだよ。

「嗚呼！！花の応援団」じゃねえよ。
あと古過ぎて反応に困る。

人間ね…。
じゃあここでさらに質問をしよう。
世界中の年間漁獲量って、どの程度か分かるか？
これも当てずっぽうでいいぜ。

約9,000万トンなんだ。
実は1億に満たないんだよ。

ヤバい。
たしかにヤバい。
しかしそれは、お前の思っている3倍はヤバいんだ！

さっき、クジラがどの程度の量を食べるのか、もう一度答えられるか？

実はな、アメリカスタンフォード大学などの国際研究チームによる、2009〜2019年の10年間の研究により驚くべき真実が発覚したんだよ！

その3倍驚くことになるから、このまま聞いてな。
そんで研究チームは太平洋と大西洋、南極海でヒゲクジラ類7種、計約320頭を調査したんだが…。

な、な、な、なんとぉー！

これまでの推定の、3倍は食べるって分かったんだよぉぉぉぉ！

赤い彗星じゃねえし、いつか言うと思ったよ。
研究チームは小型カメラやマイク、加速度計、GPS受信機を組み込んだ装置をクジラに取り付けて、海中で餌を食べる行動を把握した上にドローンで撮影して、体長や体重を見積もったのさ。
その結果、実際に食べている量がこれまでの推定とは、比較にならないレベルだったんだよ。

別に憎いから食べてるわけじゃねえよ。
ちなみにシロナガスクジラだけじゃないからな？
少なくとも、ヒゲクジラ類全体の話だからな？

今話したシロナガスクジラなどの、一部のクジラについては増えていない。
オキアミをエサとするクジラが少なくなく、競合相手に数で負けてしまいエサ場を追われ、悪循環に陥っているみたいなんだ。

マッコウクジラやクロミンククジラだな。
それぞれ100万頭、50万頭以上生息しているようだ。

だから、その結果が3〜5億トン…いや、その3倍ということなのさ。
たった1年で、下手をすれば人類が15年分の漁獲量を、クジラは食べてしまうんだよ。

ネットニュースに取り上げられられたりはしている。
だが、何せやってるのが「クジラ」だ。
いろいろとしがらみがあるんだよ。

だが、意見として公の場には出ているんだ。
具体的には、昨今の過剰な保護のために増えすぎたクジラによって、海洋生物が減少しているってな。
だから…ちょいとデリケートな話に踏み込むけど、捕鯨は海洋生物の保全に繋がると言われている。

おっと、そこまでだ。
まああちらから吹っかけてきてるんだから、正直なところあまり遠慮する必要はないんだけど、特定の思想を批判するのは良しとしない。
それをすることで、相手と同じレベルにまで下がってしまうからな。

違うんだ。
実は、必ずしも捕鯨により海洋生物が保全されるわけでもなければ、この意見に明確な根拠があるわけじゃないのさ。

私だって、根拠とか明確な理由がなきゃ過激な発言はしないよ。
というのも、さっきクジラの食べる量と人間の漁獲量を比較したけど、結構競合しないものも多いんだ。

と思うよな？
だが、例えば100万頭以上生息していると言われているマッコウクジラの場合、2,000〜3,000mほど潜ってエサを探すんだが、その辺りは深海域だ。

深海域の魚やイカとなると、人間の食用資源に向かない場合も多くて、必ずしも「クジラと人間で似たようなものを根こそぎ獲ってる」とはならないのさ。

まあ、根拠がないと言いつつも、このままクジラが増え続ければ海洋生物は枯渇するだろうけどな。

今のところな？
表舞台でそれを証明するために、もっとデータや研究が必要ってことさ。

まあな。
人間の食用資源に向かない魚やイカを食べたマッコウクジラを、人間の資源として利用すればいいんだが…。

それもあるのかもしれないが、基本的にマッコウクジラの捕獲には比較的消極的なところがあるんだよ。

とりあえずマッコウクジラを例に続けるが、まずこのクジラは深海域を行き来するためか、体内に蝋が多くて食用にし辛いところがあるんだ。
まあ油を抜いた「コロ」とか、おでんの具になってることがあるから多少は知られているものの、基本的には食欲にする際に油を抜かなければならない手間があることがあるため、敬遠されてしまう傾向がある…つまり、需要が少ないのさ。

その解釈で問題ないと思う。
マッコウクジラは世界で最も数の多いクジラのひとつ、本来であれば真っ先に捕獲対象となるべきなんだがな。

そうなんだが、調査捕鯨の対象として捕獲されたマッコウクジラなんて、それこそ数頭程度なんだぜ？
そんなの繁栄には痛くも痒くもないだろうし、ますます数を増やしてしまうのが目に見えているよ。

なるだろうな。
てか、今でこそ人間と競合しないようだが、このまま増え続けて人間の食用資源にならない海洋生物だけじゃまかないきれなくなったとき、人間と競合しないって補償はないしな。
さらに、そんな状況になってからではもう遅い。
乱獲して数を減らしたころには、いくつかの海洋生物は絶滅危惧種くらいになってそうだよ。

深刻。
「実は3倍食べてました」なんて発覚したのは最近なんだし、予想以上に海洋生物に対して打撃を与えているのは自明の理だ。

訳の分からん連中の勢いに負けて、ずるずると今を続けるなら高い確率で海洋生物は、その一部が枯渇するな。
種の多いクジラを捕獲して、上手く資源として活用する方法を見出すのがベストだろう。

まあその手の連中は、たとえ海の端から端までクジラでいっぱいになったとしても、「クジラは絶滅の危機にある」って言い張るだろうよ。
そんなもん無視無視。
今後は、クジラを明確に人間の資源として、どのように活用していくかを考えなければならないぜ。

まったくもってそのとおりだよ。
いいことを言うじゃないか。
クジラの食べる量は今回聞いてもらったとおりだが、それは近い未来で人間の首を絞める要素になるということだけは覚えておいてほしい。
ということで今回の解説を終わるよ。

いいんだけど、何食べるんだ？

ああ、言い忘れていたが、蝋は摂取し過ぎると下痢になるらしいぞ？
しかも自覚なく、突然油のような便が出るらしい。

他力本願で終わりとは嘆かわしい…。