クモの糸の強度はどのくらい？

まったくだ。
糸を飛ばして飛び上がるところは、いつ見てもロマンを感じるぜ。

何言ってんだよ。
クモの糸ってめちゃくちゃ丈夫なんだぞ？

ふぅ～…分かってないな。
クモの糸が、人類にとって夢の素材であることを知らないとは嘆かわしい。

よし、なら今回はクモの糸の強度について紹介するぜ！

ということでこのクモなんだが、糸を張り巡らせて獲物を捕獲して食べるって印象があるけど、実は半数の種が糸を使わないことがあまり知られていない。

そういうことだ。
ということで今回は、クモの中でもその半分の種について話すことになるから、そこだけ念頭に置いてくれ。

そんで早速指摘なんだけど、さっき霊夢はクモを昆虫と行ったが違うんだぜ？

昆虫であるためには、「昆虫鋼」でなければならないって定義があるんだ。
クモは「クモ網」で「クモ目」だから昆虫ではなく、どっちかって言うとダニに近い。

はじ〇の一歩の猫〇銀八かお前は。
実際、昆虫の足が3対6本に対して、クモやダニは4対8本であることからそこは明白だ。

尻から出たら全部〇んこと思うなよ？
そんで、お尻からと思われがちだが正確には違う。
お尻の先端からもう少し身体の中心よりの、腹側にあるんだよ。
そこに「糸いぼ」というものがあって、そこから糸を出しているのさ。

お腹の中に糸が入っているわけじゃないんだぜ？
あそこでは、フィブロインと呼ばれるたんぱく質を生成していて、それを空気を混ぜることで糸にしているのさ。

ところがどっこい、ジョロウグモで調査をしてみたところ、なんと連続して最長700mほどの糸を出せるとのことなんだよ。

クモVSランナーとか、異種格闘技戦にもほどがあるな。
ちなみに太さは0.01mm以下で、自然界に存在する糸と呼べるものの中では圧倒的に細いぜ。

子どもの頃に、誰もが一度は通った道だよ。
まあそんな超絶に細い糸でクモは巣を作り上げるわけだが、どの程度の強度があるのか…今一番知りたいところだよな？

実のところ、クモが自分自身で糸を出して、本来の目的で使用するなら虫を捕まえることくらいしかできないな。

なんて罰ゲームだ。
だがしかし、そんな巣に張ってある糸をすべて1cm程度にしたらどうなると思う？

飛んでるジェット機を捕まえられる。

だから、飛行中のジェット機を虫でも捕まえるかのように捕獲できるんだ。

まったく霊夢は…なかなか信じようとしないから困るぜ。
実はこのクモの糸、鋼鉄の5倍の強度と言われているんだよ。

ふにゃふにゃってのは弾力性があるってことだ。
強度だけで言えばナイロン糸に劣るようだが、弾力はナイロンの2倍…つまり伸縮しやすい性質を持っているのさ。

それだけじゃない。
鋼鉄と比べると、その重さは1/6程度の上に300度の熱にも耐えられるという、非常に有用な素材なのさ。

どうでもいいわ。
それと、すぐに見つかると思うが、とある動画で小石が空中に浮いているという動画があってな。
それをじっくり見てみると、なんとクモの糸がその小石を持ち上げていたことが分かったんだ。

糸の細さを考えたら、そのすごさは分かると思うぜ？
なんてったって、そのときのクモの糸の細さは0.005mm。
いくら小石でも、その細さで釣り上げられる糸っていうのは限られているんだよ。

なおかなり以前の話になるが、クモの糸を集めた2.6mmしかないロープ…いや、もはや糸だな。
それに65kgの人間がぶら下がっても、切れなかったって実験があったんだ。

実際あった実験だから吊るせたんだろう。
ちなみに理論上では、その糸であれば600kgまで耐えられるとのことだぜ。

理解してくれて何よりだ。
ただ、こんなに万能そうに見えるクモの糸にも弱点はある。

定例みたく言うな。
で弱点なんだが、それは「乾燥」なのさ。

正解だ。
引っ張り強度が著しく下がってしまうため、ちょっと引っ張っただけで切れてしまうんだよ。

お見込みのとおり。
水分をたっぷり含んだクモの糸であれば、元の長さの3倍ほど伸びるって話だぞ。

その辺りも、きちんと考えられた上での設定なのかもしれないな。

そこか。
かつてNASAや米軍、世界中の研究者たちがこぞってクモの糸の人工化を目指したが、最終的には頓挫し匙を投げられてしまったという経緯があるんだが…

いや？
山形県鶴岡市に拠点を置く、慶應義塾大学先端生命科学研究所発のベンチャー企業が2013年にやってくれたんだよ。
天然のクモの糸と同性能の人工クモの糸を、大量生産する技術開発に世界で初めて成功したのさ。

そんで完成した代物なんだが…その名も「QMONOS（クモノス）」。

日本の発音だが、世界でも通用するようなネーミングにしたようだぜ。
ちなみに、2015年から自動車部品メーカー・小島プレス工業との協業により、量産プラントが稼働しているようだ。
実際、アウタージャケットやTシャツも生産されているみたいだぞ。

ざっくりかいつまむけど、最初にクモはフィブロインってたんぱく質を空気と混ぜて糸にするって言ったよな？
そのたんぱく質を人工的に作ったって話なんだよ。

フィブロインに似せるまでの過程が、アホみたいに大変だったらしい。
そこが難しいと判断したのか、他の研究機関は本物のクモの糸を使おうとしたみたいなんだが…

その可能性はある。
そんで、実際のクモを使うのはいいんだが、蚕みたくうまく行かなかったようなんだよ。

アイツら、共食いするんだよ…

クモの巣見たら分かるだろ？
アイツらめっちゃ縄張り意識が強くて、近くに同種がいると喰っちゃうんだよな。

まったくそのとおりなんだが、実はそれだけじゃないんだな。
もっと致命的な問題点がクモにはあったのさ。

実際それが致命傷だったんだと思う。
何故なら本物のクモの糸って、全部同じに見えて実は数種類あるからな。

そう思うだろ？
てなことでクモの巣の話に戻るんだが、霊夢はクモの巣を見てみて何か違和感を感じないか？

美術点は求めてねえよ。
どうしてクモは自分の糸にくっつかないんだ？

実際にクモの巣を触ってみると分かるんだが、らせん状に張られているものは「横糸」、中央から真っ直ぐ支点などに伸びているものは「縦糸」と、クモは大きく分けて2種類の糸を使いこなしているんだ。

そのとおり。
横糸は獲物を捕獲するために粘性を持っているのに対して、縦糸は比較的乾燥していて硬く粘性を持っていないという性質があるんだ。

気付いたじゃないか。
そう、同じ巣に使われている糸でも、クモは糸の種類を使い分けて張り巡らせているんだよ。

ケツ言うな。
それは、体内のフィブロインを生成する器官がいくつかあるからだ。
それぞれが特性の違う糸を作りだし、その場に見合ったものをクモがチョイスするのさ。

ま、そうしてクモの巣の上では自在に歩くことができるクモなんだが、たまにミスて絡むらしい。

さらに、一度自分のクモの巣から離れたクモをまた巣に戻すと、上手く歩けなくなるらしいぜ。

いや、ずっとその巣に居るクモの場合は、常に「しおり糸」というものが糸いぼから出ていて、それが身体を支えている且つ自身がクモの巣のどこにいるかを把握する材料となっているみたいなんだ。

ま、これは余談だけどな。
そんな違いのあるクモの糸だから、素材としても使いにくいところがあると思わないか？
まあ同じクモの糸だから強度的には変わらないだろうけど、やはり安定して同じものを製造しなければならない大量生産となるとなぁ。
もっとも、どのみちクモ自身から糸を取るのは得策じゃないんだけど。

本物のクモの糸のすごさは分かったはずだ。
そして今じゃ人工のクモの糸もある。
これからどんどん素材は改革されていくことになるんじゃないかな？

いや、その必要はない。
殴るだなんて言っちゃいけないぞ？

ほら、今から裏山でジョロウグモの巣に絡んでくるんだろ？
前身くまなく巻けよ？
風呂はなしな？

ということで今回は、クモの糸の強度について紹介しました。