魚はずっと泳いでいて疲れないのか?

霊夢
むむむむむ…
魔理沙
おいおい霊夢。
水族館に来てまで、何を難しい顔してんだよ。
顔のつくりは簡単なくせに。
霊夢
なんかさ、魚ってずっと泳いでいるけど、疲れないのかなーって思って。
あと、顔のつくりは魔理沙も同じだろうが。
魔理沙
まあ、魚の全部がずっと泳いでるわけじゃないけど、泳ぎ続けている魚についてはたしかに疑問だな
霊夢
でしょ?
私だったら、秒で仰向けになって浮いてる自信あるよ。
魔理沙
ふむ…気になるなら、今からその辺りについて話してみようか?
霊夢
さっすが魔理沙!
その言葉を待ってたよ!
魔理沙
なら今回は、どうして魚はずっと泳いでいて疲れないのか?について解説するぜ!

泳がせたあとの魚の状態を調べる実験

魔理沙
結論から言おう。
霊夢
いきなり!?
動画は始まったばかりなのに、早速終わっちゃうよ!
魔理沙
だいじょぶだいじょぶ。
伝えたいことはかなり多いから。
そんでやっぱ魚も、泳ぎ続けるのは疲れるみたいだぜ?
霊夢
どうしてそんなことが分かるの?
魚に聞けるわけじゃないのに。
魔理沙
そういう実験があったんだよ。
運動…つまり、泳がせたあとの魚の状態を調べるってやつだ。
霊夢
そ、そんな実験やったの!?
まさに今私が欲しい情報だけど、ずいぶんニッチなことやったんだねぇ。
魔理沙
そんで結果なんだが、呼吸が早くなる…要はエラが激しく動くってことな?
あと心臓の動きも早くなっていることが分かったのさ。
霊夢
ええええええええ!?
それって人間が走ったあととあんまり変わらないんじゃ…
魔理沙
あんまりどころか、ほぼ人間の疲労と同じだそうだぜ?
実際、体内のグリコーゲンや乳酸の減り方も、人間のそれと同じとのことなんだ。
つまり、代謝が人間と大差ないんだと考えられている。
霊夢
まじかぁぁぁぁぁぁぁぁ!
疲れるって事実だけでも驚きなのに、人間とほとんど同じってのは仰天だよ!
魔理沙
だから魚も、ずっと泳ぎ続けているわけじゃなく、時折ジッとするようだぞ?
霊夢も見たことがあると思うけど、水の中でまったく動いてない魚がいるときがあるじゃないか。
あれは疲れているために、休憩をしていると考えられているんだよ。
霊夢
へーーーーーーー!
なるほどね!
でも、まだまだ完全には納得出来ないかなぁ。
それは実験の話であって、何か別の目的があるのかもしれないし。
人間に近いってのも気になるよ。
魔理沙
逆に聞きたいんだが、その目的って何なんだ?
私からすると、疲れ以外は特に思いつかないんだが。
魚が動きを停止するってのは、捕食者に狙われるなどのリスクばかりなんだぜ?
すなわち、リスクを負っても静止しなければならない理由がそこにあるわけだ。
となると考えられるのは、そのまま活動を続けることが非常にまずい状態…つまり疲労なんじゃないかなと思うわけだが…
霊夢
そんなのもっといろいろあるじゃん。
そういう気分だったり落ち込んでたり、フラれたあととかボーっとしてたいとか…
魔理沙
なんかちょっと気の利いた返答があるかと思ったけど、期待して損したわ!
その辺りは人間に近くねえよ。
エサ取れなくてガビーン!なんてないから。
霊夢
なんだってえええええええええ!?
魔理沙
そこまで驚くとか、こっちが驚きなんだが…

魚は疲れという感覚がないから疲れないという説

魔理沙
まあ続けるぜ。
中には、魚は疲れという感覚がないから疲れないという説もあるようだが、今のところ「疲れる」って考え方の方がメジャーだと思われるな。
だから魚だって休憩するんだし、実際眠る魚だって存在するのさ。
霊夢
ね、眠る魚って何!?
魚って寝ちゃうの!?
そもそも瞼ないでしょ!
魔理沙
瞼の有無は関係ないぜ?
アレはそもそも「乾き」の予防のためで、水の中にしかいない魚には必要がない。
だから目を開けたまま寝ればいいんだし、眠り方は生き物で様々なんだから、人間のものさしで考えても仕方ないぞ。
霊夢
じゃあどんな魚が寝ちゃうの?
魔理沙
いくつか存在する。
ベラって魚なら砂の中に潜って眠るし、カワハギなら寝ている間に流されないよう海藻をくわえたまま眠る。
中には捕食者から身を守るために、眠る際は身体の色を地味なものに変えるって話だな。
霊夢
ふぇぇぇぇ…驚いたよ。
結構眠っちゃう魚って多いんだね。
でもそれは眠る必要があるわけで、その理由が「疲れ」と…うん、つじつまは合ってるわ。
魔理沙
だろ?
ちなみにクラウンローチって魚は、横になって浮いたまま寝るらしいぜ?
霊夢
スキだらけか!
捕食者も、あまりのスキの多さに逆にためらうわ!
魔理沙
まあそういうことで、魚も泳げば疲れるし疲れたら寝る。
それほど人間と変わらないところがあるってことさ。
霊夢
ダメダメ。
まだ納得出来ない…てか、やっぱり魚は人間とは違うよ。
疲れみたいな感覚はあるのかもしれないけど、人間のそれとは全然別物なんだって!

絶対疲れない、眠らない魚はいるのか?

魔理沙
どうしてそう言い切れるんだ?
霊夢
だって、絶対疲れない、眠らない魚がいるじゃない!
魔理沙
ん?
そんな魚はいないぞ?
霊夢
ふっふっふ。
今回は私の知識の方が上だったね!
それは、マグロとかカツオだよぉぉぉぉぉ!
魔理沙
はあ?
普通に泳いで疲れるし、睡眠に近い行動をする魚なんだぜ?
霊夢
ズコーーーーーーー!
い、いや嘘だ!
魔理沙、ほんとは心の中でだばだばに泣いてて、昔の漫画みたく虹が出来てるんだ!
魔理沙
アホか。
とりあえず、分かりやすいマグロで説明するよ。
マグロってのは毎日300km以上の距離を、最高時速100km前後で外洋を突っ走る魚だ。
霊夢
100kmって、高速道路でもスピード違反だよ…
魔理沙
回遊性の大型肉食魚で、全長はタイセイヨウクロマグロであれば最大で4.5mにも達する場合があるぞ。
ちなみに英語ではツナというが、ギリシャ語で「突進」って意味のツナスという言葉が語源のようだ。
霊夢
まあ、概要ってところか。
てかさ、何のためにそんな速度で泳ぎ回ってるの?
魔理沙
止まるとマグロは死ぬからだよ。
霊夢
そのセリフよく聞くけど、なんで止まると死ぬのさ。
赤い靴でも履いてんの?
魔理沙
マグロの回遊を呪いのように言うんじゃない。
あと足がないだろ。
それにはきちんとした理由があるんだよ。
霊夢
まあ理由がなくちゃ、止まったら死ぬなんて悲劇でしかないよね。
魔理沙
実はこのマグロ、その泳ぎが同時に呼吸となっているのさ。
霊夢
泳ぎと呼吸が同時?
それはどういうことなの?
魔理沙
ラムジュート換水法と言って、泳ぎによりエラを通過する海水から酸素を取り入れ、呼吸をしているんだよ。
霊夢
ええええ!?
口をパクパクして、エラ動かしてどうにかしてんじゃないの!?
魔理沙
大多数の魚はそうなんだけど、マグロは口をパクパクっていうか開きっぱなしだし、エラも動かすことが出来ないんだぜ。
霊夢
だ、だから泳ぎ続けなきゃいけないんだ…
魔理沙
そう。
止まった瞬間、口から海水が入らなくなることでエラを通過しなくなり、新鮮な酸素を取り入れられなくなるんだよ。
つまり、窒息してしまうのさ。
霊夢
ふぇぇぇ…難儀だねぇ。
そんな無理してちゃ、疲れるに決まって…あ、忘れてた!
「寝る」って話はどうしたのさ!
マグロの話を聞いてる限り、とても寝る時間があるとは思えないよ!
てか、それ以前に寝たら死ぬじゃん!
魔理沙
だから、泳ぎながら寝るんだって。
霊夢
……はい?
魔理沙
まあ、正確にはマグロが完全に眠ることはないんだが、これもまた魚が「疲れる」証左になるだろう。
というのも、これまでのとおりマグロが高速で泳ぎ続けている、そしてそれは生きるためであるってのは分かるな?
霊夢
うんうん。
ワケ分かんない速度で突っ走って、しかもそれが呼吸のためだなんて、一度聞いたら一生忘れないよ。
魔理沙
そんなマグロだが、夜になると猛烈な速度から一転ゆっくりと泳ぎ出すんだ。
これは常時高速で泳ぐことが身体の負担になるため、夜に代謝を落として可能な限り身体を休めるという睡眠代わりの行動と考えられているぞ。
霊夢
なるほど…ゆっくり泳ぐのが睡眠代わりなんだ。
そんで睡眠を取るのは、それなりの意味があるんだ。
そろそろ納得してきたかな。

同じ疲れでも魚種によってその具合は異なる

魔理沙
だろ?
さらに、同じ疲れでも魚種によってその具合は異なるみたいで、これもまた面白いんだよ。
霊夢
魚種で違うってことは、例えばカツオとタイじゃ違うみたいな?
魔理沙
そのとおり。
ヒラメとかフグなどは、瞬間的な速度はあるけれども持久力がなくて、普段はジッとしているんだ。
つまり疲れやすい魚種ってことさ。
堤防とか、テトラに住んでいる根魚もこの部類に入るぞ。
霊夢
疲れ方も一律じゃなくて、魚によって違うんだね。
ますます人間とあんまり変わらないなぁ。
魔理沙
そんでさっき説明したマグロ、またカジキやらカツオなどは持久力に優れている魚種で、もう分かっていると思うが大海原を泳ぎ回っているぜ。
つまり疲れにくい魚種で、基本的には外洋に住んでいることが多いな。
霊夢
あ、なるほど!
あんまり泳げない魚は地上に近いところに住んでて、泳ぎまくる魚は外海に出ちゃうのか。
魔理沙
基本的にはそうなる。
持久力のない魚が、外海に行っても隠れる場所が少なくて捕食されるだけだからな。
まあ外海でも障害物が多い場所だと、その手の魚の天国になってるけど。
霊夢
それを知ると、今頭に思い浮かべられる魚が何に属しているのか、ある程度分かるから面白いね。
魔理沙
そうだろ?
ついでに、それらの近いがすぐに分かる判別法も教えておこう。
霊夢
ええ!?
そんなのあるの!?
魔理沙
めちゃくちゃ簡単だ。
白身魚か、赤身魚かってことだよ。
霊夢
ああああああああああ!!
た、たしかにそうだぁぁぁぁぁ!!
魔理沙
気が付いてくれたか?
そうなんだよ。
白身魚であるカレイもフグも、カサゴもメバルもキスも、マダイもスズキもその辺りの白身魚は、筋肉で言えば速筋タイプなのさ。
霊夢
そんでマグロとかカジキとかカツオとかの赤身魚が、筋肉で言えば遅筋ってことなんだね!
これはほんと面白い発見だわ!
魔理沙
そうだろ?
全部が全部そういう訳じゃないんだけど、目安程度にはなるから次回魚を食べるときは、また違った視点になれるかもな。
霊夢
そうだね。
ああ、それともうひとつ、川魚なんてめちゃくちゃ疲れるんじゃないの?

川魚はどうなのか?

魔理沙
もしかして、川には流れがあるからってことか?
霊夢
そうそう!
ずっと川の流れに逆らわなきゃ、自分が流されちゃうじゃん?
特に渓流なんて、年がら年中だばだばに流れてるじゃない。
かといって、マグロみたいな感じじゃないから、泳ぎ続けるなんて出来そうにないし、じゃあ川魚はどーしてんの?って感じなんだよ。
魔理沙
もちろん川魚だって、他の魚と同じく疲れは存在すると考えられているぜ。
あと、川は流れ続けているとは言っても、地形や川の形状もあるわけで流れがすべて急激、また一律ってことはない。
霊夢
ふむふむ。
たしかによく川を見てみると、めっちゃ早いところもあれば緩やかなところもあるか…
魔理沙
そのとおりだ。
淵やポケット部、また「わんど」と呼ばれる水の流れがないよどみなど、流れの少ないまたは流れのない場所も少なくないから、疲れたならそこに避難するんだよ。
実際、釣りをしていると分かりやすいんだが、その辺りに魚が溜まっているなどして、ポイントとなることも多いんだ。
霊夢
川魚は川魚で、きちんと休める場所を確保しているわけだね。
でも、大雨なんかでめっちゃ増水したときなんて、まさに川の端から端まで激流でしょ?
そういうときはどーしてんの?
魔理沙
さっき言ったわんどや支流、また川底の石や設置されたブロックの下などに逃げ込むんだ。
激流に見えて、案外流れのない場所は少なくないんだぜ。
そういった場所に身を潜めて、激流を凌いでいるのさ。
霊夢
魚の疲れから川の勉強に繋がるとは…なかなか侮れない動画だわ。
てことは、魔理沙が最初に言ったとおりってことになるんだね。
魔理沙
そうそう。
要するに、一番最初に言った結論通りなのさ。
魚は泳げば人間のように普通に疲れるし、場合によっては、また魚種によってはガチ寝すらやってのける、生物としてごく自然な行動をしているんだよ。
霊夢
ありとあらゆる魚の話したもんね。
さすがに疑り深い私も、納得せざるを得なかったよ!
魔理沙
分かってくれて何よりだ。
まあ、疲れを癒やす手段の多さは、我々人間の方がはるかに進んでいるけどな。
霊夢
そうそう。
魚も疲れるって知った以上、トントンって身体を叩いてあげたいよ。
魔理沙
あ〜そこそこ!ってか。
魚にマッサージなんて絵面がシュールすぎるだろ。
てか人間の手でやっても気持ちよくないんじゃないか?
霊夢
いや、包丁でトントンするんだって。
魔理沙
タタキかよ。
疲れて食われて浮かばれねぇ。
魔理沙
ということで今回は「魚はずっと泳いでいて疲れないのか?」ついて紹介しました。
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