なぜ、海中生物には200年以上生きている個体がいるのか?

霊夢
あ〜、海の中の生き物っていいなぁ〜…
魔理沙
なんだよ唐突に。
霊夢
だってさ、めっちゃ長生きじゃん?
100年以上生きるなんて、よくあるんでしょ?
魔理沙
100年以上?
何言ってんだよ。
長生きな海洋生物からしたら、100歳なんて幼児…いや、まだ卵にすらなってないぜ?
霊夢
それは、長生き以前に生まれてすらないじゃん!
というより、そんなに長生きな生き物いるの?
そもそもなんでそんなに長生きできるのかな?
魔理沙
長生き長生きうるさいな。
なら今回はなぜ、海中生物には200年以上生きている個体がいるのか?について紹介するぜ!

海の生き物の長生きランキング

魔理沙
海の生き物!
長生きランキーーーーーング!
霊夢
魔理沙こそ唐突になんなのさ!
長生きランキング…って何?

5位 ミル貝

魔理沙
そのままの意味だよ。
つーわけで第5位はミル貝だぜ!
寿命は160年以上あるようだ。
霊夢
ひ、ひゃくろくじゅう年!?
いきなりすごいのがキタねぇ…
魔理沙
すごい?
ミル貝が?
ゲロ甘だな。
甘すぎて吐く、いや吐いた。
霊夢
過去形!?
海洋生物の話で、部屋がゲロまみれになるとか世界初だよ!

4位 ホッキョククジラ

魔理沙
理由はすぐに分かるさ。
つーことで4位は、ホッキョククジラだ!
霊夢
あ、クジラかぁ!
たしかクジラも長生きだよね。
どのくらい生きるの?
魔理沙
もちろん個体差はあるんだけど、長ければ200年以上生きるみたいだぜ?
霊夢
200年!?
ほ、ほんとにそんな生きることができるの?
魔理沙
そこはちゃんと証明されているみたいだな。
なお体長は20mで、クジラの中では大型の部類になるぜ?
霊夢
20m!?
シロナガスクジラくらいあるじゃん!
一体何食べてそんなに大きくなった上に、200年もその身体を維持してきたのかな?
魔理沙
プランクトンのみ、だそうだ。
ちなみに、1日で1トン以上食べると言われているな。
霊夢
プランクトンの栄養やべえええええ!
つーか、200年でどれだけプランクトン食べるのさ。
それで絶滅しないプランクトンを、ある意味尊敬するわ…
魔理沙
クジラって、意外や意外だがプランクトン食だからな。
人間を口にしても、吐き出してしまうは有名な話だし。
…たまに飲み込むけど
霊夢
いやああああああ!
それにしてもこのクジラ、2世紀跨げるのね。
歴史の証人って感じだわ!
魔理沙
甘い甘い。
200年程度で驚いていたら、1位を聞いた瞬間お前の寿命が尽きるぞ?
霊夢
無理に寿命絡めなくていいよ…
そんで3位は何?

3位 ベニサンゴ

魔理沙
3位は、動物じゃなくて付着生物になるが、ベニサンゴがランクインだ!
500年以上生きることもあるぞ。
霊夢
ご、ご、ごひゃくねん!?
種子島にやって来たポルトガル人目撃してるじゃん!
魔理沙
なんでサンゴが陸の出来事知ってんだよ。
なお3位以上の細かい解説は、後半で自然に話すことになるからここでは端折るよ。
てなことでいよいよ2位の発表だ!
霊夢
3位で500年だから、1,000年とか超えちゃうのかな?

2位 海綿生物

魔理沙
1,000年か…やはり霊夢は海洋生物をナメている。
2位は海綿生物で…
霊夢
待った待った。
海綿生物って何さ。
ワケ分かんない生き物が長寿って言われても、特になんとも思わないよ。
魔理沙
海綿生物を知らない?
身体洗う、もじゃもじゃしたヤツを知らないとは言わせないぞ。
なんだっけ?
あの、スポンジ◯ブみたいなヤツ。
霊夢
だからそれはスポンジでしょ!?
スポンジボ◯まで言えてんのに、なんで分かんないのさ!
魔理沙
失敬失敬。
ちなみに寿命はその海綿生物にもよるんだけど、長いもので10,000年を超えるようだぜ。
霊夢
…………は?
魔理沙
ん?
分からなかったか?
ワン、オー、オー、オー、オー年だ。
霊夢
よけい分かりにくいわ!
あとそこまで言うなら「年」も言い換えろ!
そんで1万年って何!?
魔理沙
海綿生物は、生息箇所が深みであればあるほど長生きする傾向があるんだよ。
ま、この辺りについては後述するから、楽しみにしときな。
霊夢
わ、分かったよ。
じゃあ1位って、とんでもなく長生きなんじゃ…?
10万年とか、もはや地球史年表に出るレベルだよ。

1位 ベニクラゲ

魔理沙
じゃあそろそろ1位の発表といこう。
海洋生物…いや、この世で最も長生きと言っていいすごいヤツの名前は…!
霊夢
どきどき。
魔理沙
ベニクラゲだぁぁぁぁ!
霊夢
クラゲ!?
クラゲが1万年以上生きるの!?
ほぇ〜…これは意外だったなぁ。
ちなみにどのくらい生きるの?
まさか、ほんとに10万年とか言わないよね?
魔理沙
ははは、言うわけないじゃないか。
不老不死なんだから。
霊夢
あはは、そうだね。
不老不死じゃ10万年なんて瞬き……
魔理沙
……
霊夢
おい、ちょっと待て。
魔理沙
なんだよ。
口調が私みたいになってるぞ?
霊夢
不老不死ってなんやねん。
魔理沙
今度は関西弁か、忙しいな。
ベニクラゲってのは寿命が近付くと、自らをポリプと呼ばれる赤ちゃんの状態に退行させることができるんだよ。
だから死なない。
もっとも、退行であることから厳密には不老不死じゃなく、若返ってもう一度やり直している感じだな。
霊夢
なんじゃそりゃぁぁぁぁぁぁぁ!
不老不死!?
死なない!?
そんな生き物アリなの!?
マジで!?
魔理沙
ま、身体の機構的にそれができるってだけだ。
というか実はクラゲみたいな生物…腔腸生物っていうんだけど、この種に老化や寿命がないってのは珍しくないみたいなんだよ。
霊夢
そ、そうなんだ…クラゲやべえ。
この連中の世界じゃ、不老不死なんて普通のことなのね…
不老不死になりたくて、めちゃくちゃ頑張ったフリーザが気の毒になるよ。
魔理沙
クラゲと一緒にすんな。
まあ不老不死であることが、必ずしも長生きに繋がるわけじゃないけどな。
霊夢
なんで?
不老不死なんて、長生きの極地みたいなもんでしょ。
魔理沙
ベニクラゲの場合だと、食物連鎖において下位であることから、それを生かせられないところがあるんだよな。
単に寿命による死を免れているだけで、捕食されるなどで死ぬ個体が圧倒的な数だから、死そのものを免れている個体は0と言ってもいいんだよ。
霊夢
そっか、長生きしたらしたで捕食される確率は上がるし、実質不老不死じゃないのと変わりないんだ。
なんだかもったいないね。
魔理沙
まあどこかでひっそりと、未来永劫を過ごしているクラゲはいれるかもしれないけどな。
霊夢
いいね!
そんなのいたらロマンだよ。
ああ、そういえばさ、なんで海の中の生き物ってこんなに長生きできるのかな?

どうして海洋生物が長生きなのか?

魔理沙
今回の本題だな。
どうして海洋生物が長生きなのか、今からその辺りについて触れていこう。
霊夢
それそれ!
それが聞きたかったんだよ。
魔理沙
とは言っても、大多数の海洋生物は人間より寿命が短い…というか、せいぜい10年くらいだ。
特段寿命が長いのはほんの一部であり、「海の中の生き物は長生き」という結論にはならない。
霊夢
まあそこは生き物によりけりだしね。
でも長生きなのがほんの一部でも、それが海の中の生き物である以上、何か秘密があると思うんだよ。
魔理沙
なかなか鋭いところを突くじゃないか。
その指摘のとおり、長生きをする海洋生物には共通する3つの特徴があるんだ。
ただ、ベニクラゲなどの不老不死は身体の機構の話になってくるから、別枠になるってことだけは先に言っておく。
霊夢
おお!
いよいよ謎が解き明かされる!?

自分自身が動かない

魔理沙
その特徴だが、まずひとつ目は「自分自身が動かない」ことだな。
霊夢
え?
動かない生物ってこと?
魔理沙
そうだ。
さっき話した付着生物ってことだな。
霊夢
もしかして、自分自身が動かないから省エネなーんて…
魔理沙
冴えてるじゃないか。
まあ想像の域を出ないんだが、動かないことでエネルギーを必要以上に使わないのがまず一点。
そして、海中の付着生物の大多数は身体の作りが簡単で、成長や修復が比較的容易であるのが、生存を有利に働かせている要素だと言えるだろう。
霊夢
なるほど。
たしかに、自分から動けばそれだけ疲れるもんね。
単純な理屈だけど、長生きのためとしては理に叶ってるわ。

深海に棲息している

魔理沙
だろ?
てなわけでふたつ目だが、「深海に棲息している」のは長生きに対して、大きなアドバンテージとなるぜ。
霊夢
ああ、さっき言ってたね。
なんか暗いし寒そうだし、食べ物もなさそうでめっちゃキツいイメージあるんだけど…
魔理沙
そう思うだろ?
でも深海ってのは、たしかに真っ暗だったり海水が冷たいなどの過酷さはあるけど、海の中全体で考えればかなり安定した領域なんだよ。
霊夢
深海が安定って、今ひとつピンと来ないなぁ。
魔理沙
海の外からの影響を受けないのさ。
太陽光とか暴風、大雨による、水温や環境の変化がほとんどなく常に一定している傾向があるんだ。
霊夢
あああああああ!
そういう、なんか影響がありそうな出来事が、海の中の中の中まで届かないんだ!
魔理沙
正解だぜ。
そういった脅威がないから、そのための進化や防衛をしなくても構わないし、その生物のペースで育つことができるだろう。
そして、自分のペースで育つってことは、自分にとって最も適切な成長をしているとも捉えられるじゃないか。
霊夢
つまり、のほほんとしつつヌボーって生きているってわけか。
魔理沙
ひでえ言い方。
しかし、だからこそ長く生きることができるとも言えるけどな。
つーことでお次に行こう。
霊夢
次が最後だよね?
一体なんだろ?

クローン機能を持つ

魔理沙
これは、まさに付着生物ならではの特徴となるんだが、長生きのために「クローン機能を持つ」ようなんだ。
霊夢
クローン?
なんか、同じものをどんどん作って増やすやつ?
魔理沙
雑な説明だが、大体合ってるから対処に困る。
つまりは、自分のコピーを作る感じかな?
霊夢
それと長生きに何の関係があるの?
ただ自分のコピーが、わらわら増えるだけなんだよね。
魔理沙
この場合のクローンとは、身体の古くなった部分を新しいものに入れ替えることを指すんだが、古い何かを新しいのに変えたらどうなる?
霊夢
そりゃ新しくなる…………ぷひょぉぉぉぉぉぉ!
魔理沙
なんて反応だよ。
コメントに困るぜ。
まあ、分かってくれたみたいだから良しとするが、クローンにより身体を常に新しくすることで、いつまでも老化が進まないのさ。
霊夢
常に若々しくて水々しいとか、お隣の奥さんがハンカチ口にくわえてギリギリしてくるよ。
魔理沙
水の中にいるのに、水々しいもクソもあるか。
これについては、付着生物の多くが個体じゃなく、群体でその身体を形成しているからだと言えるな。
霊夢
群体?
魔理沙
ああ。
人間だと一個体だから、その人間が死んでしまえばもうどうにもならない。
だが付着生物の多くであれば、ある個体が死んでも他の個体がクローンによりフォローできるので、いわゆる「復活」が可能なんだよ。
霊夢
へーーーーーーーー!
これはかなり面白いね。
こりゃ、長生きして当たり前だわ。
魔理沙
しかし昨今、そんな長生きをする生き物たちに魔の手が忍び寄っているんだよ。
霊夢
な、なんだってええええええ!
…て、何が起こってるの?
魔理沙
環境汚染だよ。
漁業そのものが、漁業で使う漁具が、プラスチックゴミが、深海を傷付けているみたいなんだ。
霊夢
またまたー。
そんなの深海まで届かないでしょ!
いつもオーバーなんだから。
魔理沙
今の漁業って、普通に深海まで手が届く上にその一帯を根こそぎ刈り取るんだぜ?
そしてプラスチックは基本分解されず、そのまま極めて長時間残存し続ける。
長い時間を掛けて深海に辿り着き、生態系を破壊していくんだ。
霊夢
ひっ……
魔理沙
とするとどうなる?
これまでは一部が死んでも、クローンで何とかなっていた生き物も、復活が追いつかなくなって死に絶えるかもしれない。
さっき言ったベニクラゲについては、環境の変化によりポリプに戻らないケースがあるようだから、普通に死んでしまうかもしれない。
当然、長生きをしない魚類やその他の生き物にも影響が出るだろうし、さらにその影響で長生きする生き物にも悪影響があるかもしれない。
霊夢
う、う、う……
魔理沙
理解してくれたみたいだな。
長生きとやらも、不老不死とやらも、人間の手でいとも簡単に台無しになるんだ。
そんな海の神秘は大切にしていきたいよな?
人類はその辺りを、今一度しっかりと考えてほしいもんだよ。
霊夢
わ、分かったよ!
とりあえずこのプラスチックゴミは、きちんと分別するから!
魔理沙
そうそう。
小さなところかもしれないけど、この場合は始めることに意味があるからな。
霊夢
魔理沙!
そのゴミは燃えるゴミだよ!
魔理沙
おっと失礼。
霊夢
それは再生ゴミ!
魔理沙
悪かったよ。
霊夢
それはどう見ても粗大でしょ?
何考えてんの?
何年ここで暮らしてんの?
なんで燃えるゴミと不燃物の区別がつかないの?
ゴミの分別すらできないの?
環境のこと考えてないの?
今までどうしてきたの?
真面目にやる気あるの?
バカなの?
アホなの?
魔理沙
大海原様、今までゴメンナサイ
魔理沙
ということで今回はなぜ、海中生物には200年以上生きている個体がいるのか?ついて紹介しました。
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