なぜ魚にはいろんな色の魚がいるの?

霊夢
赤、青、黄色、紫、黒…
魔理沙
何やってんだよ霊夢。
あっちの魚の方が美味そうだから、早く見に行こうぜ。
霊夢
なんで水族館にまで来て、美味そう不味そうで魚見なくちゃいけないのさ!
私は綺麗な魚が見たいんだから!
あ、今度はオレンジ!
魔理沙
ああ、だからさっきから色を呟いてるのか。
霊夢
そうそう。
てかさぁ、なんでこんなにいろんな色の魚がいるの?
魔理沙
水族館で何回質問するんだよお前は。
古代人の絵描きが、スランプにより頭にきて12色の絵の具をぶっちゃかしたときに、各々の色が魚にくっついたのが起源だと言われているぜ。
ウソだけど。
霊夢
ぶちのめすよ!?
どうせ知ってるんでしょ?
せっかくだから教えてよ〜。
魔理沙
仕方ないな。なら今回は、なぜ魚にはいろんな色の魚がいるの?の疑問についてお答えするぜ!

色があるのには全てに意味がある

魔理沙
さて霊夢。
魚にはさまざまな色があるのはご覧のとおりだが、その全てに意味があるってのは想像できるな?
霊夢
そりゃね。
おめかししてデートもしたいだろうし、よそ行きに正装もしたいだろうから。
魔理沙
魚の色にフォーマルとかねえよ。
そんで、その意味ってのは生命に直結するとか、重大な要素が含まれていることが多いのさ。
霊夢
へー!
要は、あえてその色にする必要があったわけだね。
何せ重大なことなんだから。
魔理沙
察しがいいな。
となると、あえてその色にしなければならない理由ってのがあるわけで、それは主に4つあるんだよ。
霊夢
ふむふむ。
その4つが、その魚をその色としてる理由ってことなんだね。
どんなのがあるのかな?

①身を守るため

魔理沙
そのとおりだ。
てなことでそろそろ解説といくが、ひとつ目は「身を守るため」になるぞ。
霊夢
は?
いやいや、赤とか紫とか…ましてや黄色なんて、「狙ってください」って言ってるようなものじゃん!
それに、いろんな色があるってのも変だよ。
もし身を守りたいなら、ぜーんぶ真っ黒で済む話だし。
魔理沙
ところが、各々の場所に棲息する魚の色を紐解いていくと、驚くほど納得してしまうんだよ。
霊夢
自信ありげだなぁ。
よし、がっつり聞くよ。
魔理沙
OK。
まずアジとかイワシの青魚いるだろ?
アイツらって、比較的浅いところに棲息しているのは誰もが知るところだ。
霊夢
だね。
上からも下からも食べられちゃう、まさに食物連鎖の最下層手前…
魔理沙
あまりにもあんまりなセリフだな。
で霊夢、青魚の天敵はどいつだ?
霊夢
上からは鳥で、下からはでっかい魚かな。
それがどうかしたの?
魔理沙
ふふふ、これら比較的小さな青魚ってのは、上から見たときに海の青なのか魚の青なのかが分かりにくくなってるんだよ。
だから、天敵である鳥が発見できない、区別できないってのが起こるのさ。
霊夢
な、な、なんだって!?
あ、いや、でもさ、お腹は白いじゃん!
下から来るぞ、気を付けろ!に対応できないよ!
魔理沙
なんでキンクリ風に言ったんだよ。
ふふふふふ、甘いな。
お腹が白いことで、大型魚が見上げたときに太陽の光と同化して、やはり見えにくくなるのさ。
霊夢
え、え、えええええ!?
……ほえ〜……感心しちゃったよ。
めちゃめちゃ上手にできて……あ、違う違う!
じゃあなんで、カサゴとかアカメバルとかは赤いのさ!
赤じゃ見えまくりまクリスティーじゃん!
魚って、結構赤いの多いからおかしいよ。
魔理沙
年齢がバレるぞ?
そんで霊夢が今言った魚、表層には棲息せずにもっと深いところにいないか?
霊夢
んん?
ま、まあそうだね。
魔理沙
これは魚どうこうと言うより海の要素となるんだけど、まず太陽の光って海に注がれると深くなるにつれていつかは届かなくなるのは知ってるよな?
霊夢
そのくらい知ってるよ。
だから深海って暗いんでしょ?
魔理沙
だな。
ただそれにも経緯があって、太陽の光の内赤色ってのは比較的水に吸収されやすく、水深200mほどになると青色の光しか届かなくなってしまうのさ。
霊夢
ほうほう。
それで?
魔理沙
その深度じゃ赤色が届かないことから、そこで赤色は反射しなく暗く見えるようになるんだよ。
これでもう分かるかな?
霊夢
赤色が反射しないから、自分自身が暗く見えるねぇ……
…え?
そ、それって狙ってやってるのぉぉぉ!?
魔理沙
狙ったっていうか、自然に適応していった感じみたいだぜ?
霊夢
さ、さ、魚すげえええええ!!
い、いやまだまだ!
黄色とか紫とか、カラフルな魚は何なのさ!
魔理沙
それは「警告色」ってヤツだと考えられているな。
見た目派手な色にすることで「私は美味しくないですよー」とか、「僕には毒がありますよー」って捕食者に知らせる役割があるんだよ。
霊夢
傾国ショック?
そりゃ私みたいな美女を見たらショックなのは分かるけどさ。
魔理沙
けいこくしょく、な?
何が美女だよ。
ぴちょんくんみたいな見た目しやがって。
霊夢
懐かしいね!?
あと誰が湿気だ!
でもさ、その色が不味そうとか毒ありそうとか、相手の主観によるところが大きいんじゃないの?
人間から見ればたしかに美味しくなさそうだけど…
魔理沙
まあな。
だからこのケースに限り、確証があるわけじゃなくひとつの「説」と考えてもらったほうがいいな。
霊夢
なるほど。
いや、それでも納得できたよ。
魚って、さりげにすごいわ…

②表現的な変化

魔理沙
何言ってんだよ。
理由はまだまだあるんだぜ?
ふたつ目は「表現的な変化」だ。
霊夢
表現?
魚って別に何かを表現できるほど芸達者じゃないでしょ?
魔理沙
おいおい、「婚姻色」を忘れてないか?
霊夢
あああああああ!
そんなのもあったね!
魚にもあるんだ!?
魔理沙
あるある。
代表的なもので言えば「オイカワ」や「サケ」だろうな。
オイカワは、普段こそ銀色のいわゆる川魚だけど、繁殖期ともなれば青や赤と美しい姿を見せてくれるし、ベニサケなんて身体の部分が真っ赤に染まるんだぜ?
霊夢
ふぇぇぇぇ…これは一発で納得したよ。
でもさ、どうしてそんな派手な色になっちゃうの?
モテるために必死なの?
婚活?
魔理沙
突っ込もうと思ったが、言い得て妙なんだよな…
例外もあるんだが、多くはオスだけが婚姻色に変わりメスに対して生殖行為の触発、また「俺はいつでもカムヒアーだぜ」ってアピールをしている…うん、つまりは婚活だ。
霊夢
合ってた!?
なるほどね、アピール目的があるからいちいち派手になるんだ。
たしかに理に適ってるけど、どうやって色を変えてるんだろ。
魔理沙
そこについてだが、まず魚の身体の色ってのは真皮中に含まれている、色素胞によって決まるんだが…
霊夢
あ、そういう組織があるんだ!
魚の身体って単純な構造と思ってたけど、実は複雑な部分もあるのね…
魔理沙
脊椎動物だから、単純に見えても見えないところでかなり複雑なんてパターンは少なくないぜ?
で、色素胞には赤とか白とかいくつかの色の素があるんだけど、その濃度や量でその色は大きく左右されることになる。
霊夢
なんだか絵の具みたいだね。
魔理沙
遠からずってところかな?
そんでこの色素胞、ホルモンや自律神経により変化するようで、それに伴い体色も変化するんだ。
霊夢
ああああああ!
分かったぁぁぁぁぁぁぁ!
繁殖期が来ると、ホルモンとかに変化が生まれるから、それで婚姻色が表れるんだ!
魔理沙
正解だ!
このあたりは、色こそ変わらないけど感覚は人間に近いのかもな。
霊夢
なるほどなるほど…これは面白いね!
勉強になるわー。
魔理沙
そうだろ?
ああ、あと威嚇色ってのもあるんだぜ?
霊夢
威嚇?
まさか、怒ると顔色が変わるみたく、体色が変わるとか…
魔理沙
おお!
今日は冴えてるじゃないか。
まさにそれで、例えば「クエ」の場合は自身の縄張りに他の魚が侵入してくると、普段はボヤけた茶色の体色がたちまち縞模様となるんだよ。
霊夢
ふむふむ、それを見せて「もぅ怒ったぞ!」って知らせてるんだ!
魔理沙
どっちかっていうと「来るなボケ」だな。
とまあ、こういう理由で色が変化する魚もいるから、一見地味でも実は…なんてこともあるぞ。
霊夢
これもまた魚の色だね。
うーん、奥が深いわ…

③食べ物の影響など

魔理沙
てなわけで次となるが、みっつ目は「食べ物の影響」だ。
霊夢
つまり、食べる物の色が付いちゃうってことかな?
魔理沙
ズバリ正解だ。
まず「マダイ」って魚いるだろ?
アイツで説明するのが一番分かりやすい。
霊夢
お、魚の王様じゃん。
そんで、その言い方だとマダイは食べ物が理由で赤くなったって感じだね。
魔理沙
まさにそのとおりなんだ。
マダイって、幼魚のころから積極的に甲殻類を食べるんだけど、甲殻類って赤が多くないか?
霊夢
たしかに!
エビとかカニとか…ん?
いやいや、それは茹でたときでしょ!
魔理沙
別にいいんだよそれで。
甲殻類が赤いのは、アスタキサンチンって物質によるものなんだよ。
ただしそれは、甲殻類が生きてるときはたんぱく質と結合しているからくすんだ褐色みたいになってるけど、加熱すれば分離して鮮やかな赤になるのさ。
霊夢
だから、マダイが食べる甲殻類自体は赤くないけど、アスタキサンチンそのものは摂取しているから赤くなるわけだ!
魔理沙
そのとおり。
昔は、養殖のマダイは黒っぽいのが少なくなかったみたいだけど、エサにアスタキサンチンを配合したところ赤くなったって話だぜ。
霊夢
へー、あからさまに影響があるんだね。
ん?
そういや、養殖のマダイってなんで黒いのが多いの?
最近は見ないけど…
魔理沙
ああ、それか。
理由は「日焼け」だよ。
霊夢
日焼けぇぇぇぇぇぇ!?
人間じゃないんだからさ!
魔理沙
何言ってんだ。
魚も日焼けをするし、人間よりも早く太陽の光に適応するために黒くなるんだぞ?
クロダイなんていい例だ。
水深の浅い場所や汽水域に棲息するため、太陽の光に晒されやすいためにあの色なんだ。
霊夢
そうだったのかぁぁぁぁぁ!
こ、これはめちゃめちゃ勉強になった!

④保護色

魔理沙
ふふふ、これでまたひとつ賢くなったな。
じゃあお次で最後、よっつ目は絶対に外せない「保護色」だ。
霊夢
もうこれは誰でも知ってるよね!
魔理沙
だな。
まあ青魚やカサゴなども保護色と言えるんだが、この項目の場合は周囲のものと溶け込むって意味の、一般的によく知られる保護色となるぞ。
霊夢
たしか、自分の身の回りのものの色と一緒になるんだよね?
魔理沙
そうそう。
例えば「クマノミ」なんかは、周囲のイソギンチャクに近い配色になっているだろ?
そんで、自分自身がイソギンチャクの色に合わせるため、同じクマノミでもまるで色が違うなんてのも珍しくない。
霊夢
それも結局、色素胞によるものなの?
魔理沙
婚姻色とはまたメカニズムが違うんだ。
例をヒラメにしよう。
アイツは、自分の棲息する海底の模様に合わせた見た目になってるよな?
霊夢
さっきから気になってたけど、「アイツ」って友達じゃないんだから…ま、いっか。
たしかにそうだね。
パッと見た感じ、人間でも分かりにくいもん。
かなり精密に合わせてきてるよね。
魔理沙
それは、ヒラメ自身が海底から反射している光の量を感じて、皮膚に再現することが可能だからなんだ。
霊夢
ヒラメすげえええええええ!
魔理沙
その精度はかなりのもので、敏感な小魚が間近に近付いてもバレない。
霊夢
そこで、パクッと行っちゃうわけだね。
魚の色…この場合模様か。
捕食にも使えるんだ。
魔理沙
そうだな。
身を守るためだけじゃなく、食べるためにも色というのが重要だと分かったろ?
だから「生命に直結する」のさ。
霊夢
な、なるほど…
伏線回収しやがったね…
魔理沙
ああ、言い忘れていたが、養殖の魚ってのは今回話したような機能が失われている傾向があるようだぞ。
霊夢
ええええええ!?
な、なんで!?
魚としては同じ種類なんでしょ?
野生の勘とか目覚めないの?
魔理沙
動物でもそうだが、人間の手が大きく加えられた魚は、保護色などの機能が正常に働かなくなるみたいなんだよ。
実際養殖のヒラメは、砂地に放しても保護色とならずに隠れられない、捕食できないなどの実験結果があるんだ。
霊夢
え…それだと、自然界に放されたら生きていけないね。
魔理沙
そういうことなんだ。
魚にとっての色ってのが、どれだけ大切か分かっただろ?
霊夢
いやいやいや、めちゃくちゃ分かったよ!
そっかぁ、色とりどりの魚は綺麗だなーくらいにしか思ってなかったけど、それは過酷な現実を生き抜くための術なんだね。
魔理沙
いいまとめ方をするじゃないか。
私の出番がなくなってしまいそうだぜ。
霊夢
ま、今回もしっかり分かったから、そろそろ回ろうよ。
まだ水族館、半分くらいしか見てないし。
魔理沙
そうだな。
そろそろ、晩飯の候補を決めにいくとするか。
霊夢
だから、美味しいか美味しくないで決めるなって言って…あ、あれ?
魔理沙
……
霊夢
ま、魔理沙がだんだん透明に…って、保護色かっっっっっっ!
人間やめました!!
魔理沙
ということで今回は、なぜ魚にはいろんな色の魚がいるの?について紹介しました。
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