釣りの擬似餌(ルアー)で匂いもないのに魚はなぜ食いつくのか?

霊夢
いいなぁ、魔理沙ばっかり…
私なーんにも釣れないんだけど?
ここ、ほんとに魚いるの?
魔理沙
魚影MAXじゃないか!
というか釣りは腕だぞ?
見ろ、この華麗なルアーさばき!
霊夢も食いつきたくなるだろ。
霊夢
なるか!
食欲の対象外だわ!
てかさ、なんで魚はこんなもんに食いつくの!?
スピナーベイトとかナメてんの?
魚のサの字もないじゃん!
匂いもないし、美味しそうじゃないし、何考えてんのさ!
魔理沙
ありったけ文句言ってんな…
別に匂いがあるとか、美味しそうだとかいう理由で、魚がルアーに食いつくわけじゃないんだぜ?
霊夢
あーそうだね。
気が触れたんだね。
魔理沙
釣れない理由を魚のせいにするんじゃない。
じゃあ、やさぐれた霊夢の釣果を上げるために、ちょいと説明しておくとしようか。
霊夢
おおおお!
これで私もようやく…
魔理沙
ということで今回は、釣りの擬似餌(ルアー)で匂いもないのに魚はなぜ食いつくのか?について紹介するぜ!

まずは疑似餌(ルアー)について基本情報

魔理沙
さて、まずはどうしてルアーで魚が釣れるのか、その辺りについてから触れていこう。
霊夢
それも気になってたのよ。
こいつ、一体何万年釣られ続けてんの!?
学習しなよ!
魔理沙
そんな魚を釣れない霊夢こそ学習しないとな。
まずルアーってのは和名で「疑似餌」といい、昨今だけじゃなく大昔から存在しているそうだ。
霊夢
大昔?
せいぜい50年くらいじゃないの?
魔理沙
紀元前9世紀頃には、すでに日本において「毛ばり」があったという事例証拠があるんだよ。
霊夢
おっそろしく前だったぁぁぁぁ!
てか紀元前!?
日本が最初なの!?
魔理沙
いや、諸説さまざまなところがあってな。
それに、毛ばりはたしかに疑似餌だが「ルアー」というカテゴリじゃない。
純粋にルアーというのであれば、また別の起源がいろいろ存在するんだ。
霊夢
つまりは、きちんとした起源が分からないわけね。
ちなみにルアーの起源はどんなのがあるの?
魔理沙
最も有名なのはスプーンだな。
1848年、アメリカのどっかの湖で父ちゃんと釣りをしていた子どもが、乗っていたボートが岩にぶつかったことで持ってきた食器のスプーンを湖に落としたら、レイクトラウトがそれをくわえてどっかに行ったって話。
霊夢
何そのざっくりした起源。
魔理沙
別に、今回の話で起源はそれほど重要じゃないからな。
そんでこのルアー、魚に似せたヤツもあれば全くそれとかけ離れたヤツもあって、まるで統一性がないのは見てのとおりだ。
霊夢
そうそう!
だからスピナーベイトとか、なんかガワがくるくる回ってるだけじゃん!
魔理沙
スピナーベイトに恨みでもあるのか。
さらに、魚の質感にはほど遠いプラスチック製である場合が多く、バカでかい針まで付いててどうしてこれで騙されてしまうのか、喰いついてしまうのかは一見不明だろう。
霊夢
一見?
最大級にガン見した上で不明だよ!
魔理沙
そんで霊夢。
これまで言ってきた内容を踏まえた上で、ルアーってのは一体何なんだ?
霊夢
疑似餌って言ったじゃん。
ニセモノのエサってことなんでしょ?
魔理沙
そんなだから釣れないんだよ!
この、鬼太郎4期のエンディングに出てくる顔だけのヤツめ!
霊夢
誰が妖怪つるべ落としだ!
で、ニセモノのエサじゃなかったら一体何なの?
魔理沙
もちろんエサって観点もある。
だがそれだけじゃないのは、ルアーの形状とか特徴などで分かるんじゃないか?
明らかに目立つだけにしてあったり、やたらうるさく音を鳴らすものとか…
霊夢
そういえばルアーっていろいろあるよね。
音出すヤツとか、何の意味があるんだろって思ってるんだよ。
魔理沙
つまりエサだけに留まらない、魚の習性を突くという要素も盛り込まれているのさ。
その事から、魚がルアーに食いつく理由は4つほど考えられるだろう。
霊夢
へー!
一体どんな理由があるのかな?

エサだと思った

魔理沙
まずは、エサと思ったことで食いついたってやつだ。
ルアーはエサじゃない、魚の習性を突くと言いつつも、やはりエサと勘違いさせるってのが元祖であることからこれは外せないだろう。
霊夢
ま、たしかにそうだね。
実際カエルとかザリガニとかに似せたルアーもあるし、それは別に魚の習性どうこうじゃないでしょ?
エサとして直接的な形状だし。
魔理沙
だな。
その手のルアーは、まさに対象魚の食性を利用したものと言えるだろう。
霊夢
それに、「食べる」って行動は生きるために絶対必要なんだから、そこを突くってのは一番合理的だと思うよ。
魔理沙
いいことを言うじゃないか。
理性のある人間だって、飢餓状態になれば大抵のものは口にする。
ということは、主に本能だけで生きる魚となれば、あからさまなニセモノにだって食いついても何らおかしくはないんだ。
霊夢
しかもさ、魚って基本的に必死だよね。
魔理沙
言い得て妙だな。
魚にもよるが、小型であれば基本追われる身であり、常時余裕がないことが伺える。
そのため、ルアーをじっくりと観察して本物かニセモノかを判断している余裕、時間もないなんてこともあるだろう。
霊夢
つまり、「たぶんエサだから食べちゃえ!」と咄嗟に食べちゃうってことか。
魔理沙
そのとおりだと思う。
発見から食べるまでのプロセスが、人間のそれとは比較にならないほど早いのさ。
もっとも、口に入れてニセモノだと分かると吐き出すのはご存知のとおりだ。
それに、メバルなどの目のいい魚だと、見破られることも少なくない。
霊夢
たしかメバルって、ハリスが太いだけでも「こいつぁ釣りじゃけえ」って見破ってくるんだよね。
魔理沙
そのメバル土佐出身か。
まあ正確に言うと釣りかどうかを見破っているんじゃなくて、違和感を感じているだけなんだけどな。
そして、海ではその違和感が直ちに死に繋がるから、行動が慎重になる…そういう感じだろう。
霊夢
なるほど…食べたときの感覚だけじゃなくて、時に目でも見破るかぁ。
ルアー釣りが難しいわけだよ。

怒りによる攻撃

魔理沙
生きエサとは比べるべくもないぜ。
てなわけで次だが、魚によってはルアーに対して怒りで喰いついてくることがあるんだ。
霊夢
怒り!?
なんで怒るの!?
魔理沙
産卵場所近くだったり、縄張りに入ったりなどで、そこを通り掛かったルアーに対して、バイト(噛み付き)による攻撃を行うことがあるのさ。
霊夢
な、なるほど!
魚も、そういう動物っぽい意識みたいなものがあるんだね。
魔理沙
ただ泳いでいるだけじゃないだぜ?
結局そこも本能なんだけど、この場合は食欲じゃなくて子孫繁栄ってところかな。
霊夢
それを妨げられるってなったら、たしかに怒っても仕方ないよ。
そんで手足が無くて攻撃手段が口しかないから、ガブリとやっちゃうと…
魔理沙
だな。
鮎などは、バイトじゃなく身体を使って引っ叩くから、必ずしもガブリってわけじゃないけど。
霊夢
あー、そういやある程度育った鮎は、友釣りでしか釣れないもんね。
魔理沙
鮎は鮎で、専用のルアーがあるけどな。
あと、さっきも話してたが音に対しても怒ることもあるそうだ。
霊夢
やたら音出すルアーだよね。
ノイジー系だっけ?
魔理沙
そうそう。
ああいう音は魚にとってかなり不快だそうで、攻撃対象となることがあるのさ。
霊夢
そこは人間と同じなんだ?
お隣がうるさいと壁ドンする、木造2階建て安アパートのワンシーンだね。
魔理沙
例えが具体的過ぎるんだよ。
まあその行動理念が、怒りによるものかどうかってのは分からないところがあるけど、ルアーが攻撃対象になる場合があるのは間違いないと言えるだろう。
霊夢
うんうん、よく分かったよ!

興味本位

魔理沙
よし、なら次に行こう。
時に魚は、興味本位でルアーに食いつくこともあるみたいだぜ?
霊夢
はぁ?
なんでそんな自分にとって危険なものに、わざわざ興味本位で食いつくのさ。
魔理沙
一度ルアーで痛い目を見た魚は、その後そうそうルアーには食いつかないらしいが、何も知らなければどうかな?
霊夢
あ、分かった。
危険なものかどうかを確かめるために食いつくとか?
魔理沙
それもあるかもしれない。
主な理由としては、「これがエサなのかどうか」だと考えられてるぜ。
霊夢
この場合はエサと思って食いつくんじゃなくて、それ以前にまずエサかどうかを確認してるんだ?
最初に言ってたみたいな、エサと思ってすぐ食いつくのもいるのに…仕事できる人とできない人みたいだわ。
魔理沙
すぐ食いつく魚に謝れ。
それぞれ、それなりに理由があると思うぞ?
すぐに食いつく魚の場合は、まだ幼いとか生態系のヒエラルキーで下位だとか、すぐに食いつかないと生きていくのが難しいのかもしれない。
霊夢
な、なるほど!
なんか魚にもいろいろ背景があるんだね…
そんでエサなのか確認するような魚は、普段から比較的安全な場所で生きてるとかそんなんなのかも。
魔理沙
その可能性は高いだろうな。
ああ、あとエサとかどうこう抜きで、単純に「これは何だ?」的な意味で食いつくことも考えられる。
霊夢
本当の意味で興味本位だなぁ。
魔理沙
だから魚とは似ても似つかない、また派手な色や姿のルアーに食いついたりするんだろう。
霊夢
あのワケ分かんない色や姿は、魚のそういうところも上手に突いてるのか…
よく考えられてるよ、ほんと。

反射行動

魔理沙
ルアーは、伊達に長い歴史を持ってないんだぜ?
てなことで次に行くが、反射行動として食いついてしまうなんてこともあるだろうな。
霊夢
反社行動だって!?
魔理沙、見損なったよ!!
魔理沙
すまん、出来心で…ってバカ。
反射だよ、反って射るやつ!
これは食欲がどーのこーのじゃなくて、ルアーがやってきたってことで反射的に食いついてしまうってやつさ。
霊夢
なんで反射的に食いつくの?
魔理沙
なんでって…反射行動だから、なんでもくそもないんだが…
ああ、そうだ。
鮭って遡上を始めるとエサを食べなくなるんだけど、ルアーをちらつかせると食いつくんだぜ?
霊夢
え!?
そうなんだ!
なんかよく分かんないけど、ルアーとかそういう問題じゃなくて、そこに何かあるから即座に食うってだけのこと?
魔理沙
まあそれで間違ってない。
例えるなら、あっついお鍋にうっかり手を触れてしまった後、即座に手を離して耳を触る一連の行動と似てるかな。
霊夢
ふむふむ。
反射行動だから、まさにその例え通りなんだろうね。
てことは、別にルアーじゃなくてもなんだって食いつくことにならない?
四六時中流れてくるものとか、漂うものをパクパクしてたら日常生活がままならないよ。
魔理沙
いや、条件があるみたいなんだ。
例えば、普段からエビを捕食している魚なら、停止した状態で突然動き出す何かに対してだけ、反射行動として食いつくなどだな。
魚の習性や、食べるものによって異なるだろうから、すべての魚を一律とすることは出来ないぜ。
霊夢
ふむふむ。
あー、そういえばハングオフがそれだよね。
ルアーをあえて引っ掛けたり置いた状態にして、いきなり動かして誘うやつ。
魔理沙
それそれ。
まさにそれも、魚の習性を利用したルアーならではの釣り方と言えるだろう。
霊夢
なんか困った習性だねぇ。
でもこれって、最初に説明したヤツと近い感じがするんだけど。
魔理沙
エサと思って食いつく習性か。
おそらくだが、エサと思っている場合は食いつく対象を大なり小なりエサと認識しているのに対して、反射行動はほぼ認識していないっていう差があると言えるな。
霊夢
あ…エサかどうかすら判断してないんだ。
たしかにそれは、習性というしかないよね。
ただ、習性以外でところ構わず食いつくとか、はよ直せって感じがするけど…
魔理沙
まあそういうことだ。
以上で考えられる4つの理由の説明を終わらせてもらうぜ。
霊夢
いやはや、実のところ魚ってなーんにも考えてないと思ってたよ。
まー考えっていうか本能的なものなんだろうけど、それでも行動ひとつひとつに意味があって、背景があってなんて分からなかったなぁ。
魔理沙
声も表情もないから、分かろうとしなければ理解するのは難しいだろうな。
だか実際のところは、「ルアーに食いつく」っていうひとつの行動だけでも、今回話した理由があると考えられるのさ。
霊夢
いやー、勉強になったよ!
これで私も一流のアングラーに…ん?
お、おおおおおお!!
キタキタキタぁぁぁぁあ!
魔理沙
お!!
ようやく霊夢にもアタリがあったか!
慎重にな!
私の解説が役に立って何よりだ!
霊夢
よーーーし、このまま抜くよー!
ばっしゃああああああああ!
魔理沙
口で「ばっしゃああ」言うヤツ初めて見たよ!
で、何が釣れたんだ!?
霊夢
長靴。
魔理沙
昭和のギャグか。
魔理沙
ということで今回は、釣りの擬似餌(ルアー)で匂いもないのに魚はなぜ食いつくのか?について紹介しました。